地獄も骸骨もドタバタ!文明開化を揶揄する明治時代の強烈な風刺画たち

| Japaaan
地獄も骸骨もドタバタ!文明開化を揶揄する明治時代の強烈な風刺画たち

散切り頭を叩いてみれば文明開化の音がする

今年は明治維新から150年。江戸幕府に代わって新しく樹立された明治政府は、西欧諸国に追いつくために欧化政策を進めていきました。江戸から明治に替わり、様々な西洋文化が導入されますが、目に見える大きな変化は洋服の導入ではないでしょうか。

「散切り頭を叩いてみれば文明開化の音がする」という歌があるように、文明開化は国民の装いから変えていきました。

歌川広重「東京汐留鉄道舘蒸汽車待合之図」

こちらは明治5年に開業した汐留駅を描いた絵。まだ着物を着た人も見られますが、洋装の家族らしき人達が描かれています。当時、陸蒸気(おかじょうき)と呼ばれた蒸気機関車と洋装の人々は正に文明開化の象徴です。

明治5年に礼服が洋服に定められ、警官や官庁の制服も洋服になっていきますが、庶民はまだ着物が一般的でした。しかも庶民にとって洋服はかなり値が張る品で、この絵のように家族揃って洋装ができるのは、ほんの一握りの裕福な人々だけでした。

強制的すぎる地獄の文明開化

着物から洋服、丁髷から散切頭、武士の誇りである刀を取り上げる廃刀令、木造の家屋から煉瓦の洋風建築。江戸から明治への変化は非常に目まぐるしいものでした。そんな目まぐるしい欧化政策を揶揄する風刺画があります。

河鍋暁斎「応需暁斎楽画 第一号 地獄の文明開化」

急速に進められた欧化政策は、どうやら地獄にまで押し寄せていたようです。

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