2月15日、東京都は4年半ぶりに“危険度ランク”を発表。いつ発生しても不思議ではない首都直下型地震に備え、町や丁目で区切った5177カ所を対象に、危険度を5段階にランク付けしたマップを公表した。
それを見ると、危険度が高い地域が下町エリアに集中していることが一目瞭然。荒川や隅田川沿いの下町に広がる軟弱な地盤や谷底低地に当たる場所は、地震が起きた際に揺れが増幅されやすく、しかも古い木造住宅が密集しているためだ。
防災ジャーナリストの渡辺実氏は言う。
「東京都は震災対策条例にもとづいて、1975年から約5年ごとに地震に対する建物倒壊や火災などの危険度を調査、公表してきました。しかし、開発が進んでいる地域では建物の耐震化が進んで評価が上昇しているのに対し、荒川、隅田、足立区では高齢化が進み、建て替えをしようというエネルギーもないというのが実状なんです」
木造住宅が密集している環状7号線の内側を中心としたドーナツ状のエリアや、JR中央線沿線でも火災危険度が高い。
「首都直下型地震の際は帰宅難民の大量発生が指摘されていますが、都心から郊外の自宅へ帰宅する際、環状七号線一帯の火災により、都心へ戻る人が出てくる。それが新たな帰宅難民とぶつかることで、さらなる混乱も予想されます。そこへ、関東地震(1923年)の時に発生したような火災旋風が襲う可能性もあるのです」(同)
ただ、8回目の作成となった今回のマップでは、耐震性の高い建物への建て替えや、耐震改修工事などが反映され、倒壊危険度は前回に比べ平均で約20%低下している。また、火災の危険度では、延焼時間の想定が6時間から12時間にまで伸びたが、不燃性の建材を使った建物が増えたことや道路の拡幅工事、公園整備などが進んだ結果、リスクは平均約40%低下したという。
しかし問題は、直下型を想定したこのマップでは、津波の被害が考慮されていない点だ。特に23区の東部にはゼロメートル地帯が広がっている。巨大地震の際は、ここに大きな水害が出る危険があるという。
渡辺氏が続ける。
「東京湾の満潮面より低い、いわゆるゼロメートル地帯が、墨田区、江東区に広がり、23区の面積の約20%にも及びます。そしてそこに、約150万人が生活をしている。考えておかなければならないのは、満潮時に地震が来た時です。火災や揺れで住民が動揺しているところへ、地震により防潮堤が破壊され大量の水が流れ込む。そうなった場合は、想定外の大パニックとなる可能性があるのです」
怖い順の格言である「地震雷火事親父」の親父の部分はかなり怪しくなってきたが、東日本大震災の恐怖は未だ脳裏から離れない。首都直下地震は30年以内に7割の確率で起こると言われているが、それは明日にもやってくるかも知れないのだ。
「下町が壊滅する!」直下型地震で地獄と化す東京都ゼロメートル地帯
2018.02.28 08:00
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