ビートたけしの名言集「殿から『あんちゃん』と呼ばれたあの日」

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ビートたけしの名言集「殿から『あんちゃん』と呼ばれたあの日」

「おい、あんちゃん。そこの弁当食っちゃえ」

 1995年の秋、ビートたけしの元へ弟子入りを直訴し、何とかたけし軍団に潜り込み、ダンカンさんの付き人を2年程務めた後、やっと殿の付き人になったわたくしが、初めて「あんちゃん」と呼ばれたのがこの言葉であり、あの日のことは忘れられません。

 で、これは何も弟子であるわたくしだけが感じる喜びではなく、全ての芸人が思う、ある意味、“ビートたけしあるある”なのです。収録やライブなどで、他事務所の芸人さんと一緒になり、わたくしがたけし軍団と知ると、“以前どこどこの現場で、殿から「あんちゃん」と呼ばれたことがあり、それがうれしかった!”的な思い出を語る芸人が本当に多いのです。

 で、殿から「あんちゃん」と呼ばれれば、次は名前でしっかりと呼ばれることが弟子の夢であり、その呼び方には、殿の中でしっかりと決まった流儀があります。

 例えば、グレート義太夫さんは「義太夫」。ラッシャー板前さんは「ラッシャー」。水道橋博士さんは「水道橋」。玉袋筋太郎さんは「玉」。そして、柳憂怜さんだけはなぜか「憂怜くん」と、くん付けだったりします。

 で、我々たけし軍団は、この、殿が命名するおかしな芸名のおかげで、エピソードに事欠きません。

 以前、シェパード太郎という芸名の弟子が、殿の付き人に付いていた時のこと。その日、殿が仕事で訪れた収録スタジオには、某タレントさんが、自身で飼っている本物のシェパード犬を連れてきていて、スタジオ内を犬がウロウロしていたことがありました。

 で、収録を終えた殿が車で帰ろうした際、スタッフ一同が玄関まで見送りに出ると、殿の車に同乗する予定であったシェパード太郎が見当たらず、殿が、

「あれ、シェパードがいね~な」

 とポツリ。すると、その発言にスタッフさんたちが“スタジオで見かけたあの犬は、たけしさんの犬だったのか!”と勘違いされ、「たけしさんの犬がいません!」と、大声を上げて探しだしたのです。そして、探すこと3分。その間、トイレかどこかに行っていたシェパード太郎が「すいません!」と駆け足で登場。

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