【都道府県別の葬儀】ナーチャミーという沖縄独特の墓参と一風変わった線香

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【都道府県別の葬儀】ナーチャミーという沖縄独特の墓参と一風変わった線香
前回の記事で紹介したが、故人の遺体を自然に白骨化させる風葬や洗骨といった埋葬方法や、亀甲墓、破風墓といった巨大な墓に見られるように沖縄は葬儀において独特な風習が今日でも沢山残っている。

■沖縄独特の墓参り「ナーチャミー」とは?

まず臨終時だが、死の穢れを 免れる為に妊婦や妊婦の夫は立ち会ってはならないとされている。現在沖縄本島ではほとんどが火葬となっているが、納棺、葬儀、火葬、告別式の一連の儀式を1日で行う。その翌日には早くも墓参りにいく「ナーチャミー」という風習がある。

朝早くに遺族が茶や花などの供物や重箱を持参して、故人が極楽浄土へ行けるよう祈るのだが、これが初七日まで毎日毎日続く。

このナーチャミーにはじまり、四十九日までは一週間後ごとに故人を供養する法要を営むが、これを「スーコー(沖縄の方言で法事の意味)」と呼んでいるようだ。

四十九日をもってひと段落するのは日本の他の地方と同じなのだが、ここまできちんと故人の供養を行うのは、仏教や神道といった宗教ではなく、先祖崇拝を重んじる沖縄の特色によるものだろう。
同時に沖縄では死者の穢れに対する畏怖の念が非常に強く、それを払拭しようとする表れとも言える。

■沖縄独特の線香


葬儀だけではなく、葬具も他の地方にはない特徴的なものが多く見らており、線香も「平御香」といい、黒く平たい板状の形をしている。

長さ15センチ、幅2センチほどで、5本の筋が入り、1平(本とは数えない)が丁度6本の線香に分かれているような形状だ。一般的には2平と半分、つまり15本を使う。この2平分の12本には十二支あるいは12ヶ月の意味があり、残りの2分の1平(3本)は天神、地神、竜神宮を意味している。つまりは故人の供養を含めて、全ての願い事に用いているようだ。
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