相続完了後に、故人が連帯保証人になっていたことが判明した場合の対処方法

| 心に残る家族葬
相続完了後に、故人が連帯保証人になっていたことが判明した場合の対処方法

の経験上相続手続きが開始された後に、必ず問題となるものの内最も後処理が困難になるものがあった。それは、借金と保証に関する問題であった。被相続人が生前に様々な金融機関から借金をしていた場合は、督促状の送付や督促の電話連絡等によって発覚又はある程度の内容を知ることができた。しかし、一番厄介だったのは他人の借金の連帯保証人となっていた場合だった。

■借金を見つけるのは簡単 連帯保証人になっていたかどうかを調べるのは困難

被相続人自身が何等かの理由で、連帯保証の事実を隠蔽してしまうと、状況を掴むことが困難となってしまう。金銭消費貸借契約書が確りと管理されていて、被相続人の生前に公開されているとか、被相続人が所有する不動産に抵当権が設定されている等、確認し易い状況ならば問題ないが、事実は殆どが意図的か否かは不明だが、隠蔽されていて被相続人の死後に発覚することが多かった。そうなると手遅れであり、連帯保証の対象となっている借金を、被相続人の代わりに返済する義務を負う。解決策は相続放棄や限定承認等がある。いずれにしても被相続人の生前に借金の内容を把握しておくことが最善と考える。前置きが長くなったが、今回は限定承認について触れてみたい。

■限定承認とは?

限定承認(民法第922条)とは、相続人がプラスの財産の範囲内で借金等のマイナス財産を相続することを言う。また、通常の相続つまりプラスとマイナスの財産を全て相続することは単純承認(民法第921条)という。限定承認が有効となり得るのは、相続財産について明らかにオーバーローン状態(債務超過)であること。乃至は判明していない借金が存在する可能性が高い場合が該当する。そして限定承認をすれば、プラスの財産の範囲内で借金を返済すればよく、それ以上は返済する必要はない。更に、借金返済後プラスの財産が残っていたとしても、当該財産はそのまま相続できる。手続きは被相続人が亡くなったことを知った日から三ヶ月以内に、被相続人の居住する地の家庭裁判所に申述する。ここで注意が必要な点がある。それは、相続人全員が共同で家庭裁判所に申述(民法第923条)しなければならないことだ。相続人の内、一人でも拒否すれば認めて貰えないのだ。

ピックアップ PR 
ランキング
総合
マネー