サンウルブズ田村優、チーフス戦で復帰。明かした「僕が、やる」の真意とは。

| ラグビーリパブリック

 3月23日、東京・秩父宮ラグビー場。国際リーグであるスーパーラグビーの第6節を翌日に控え、サンウルブズの田村優は試合当日までの準備内容を聞かれる。即答する。

「自分がいい準備をすることだけです。僕が、やる(だけ)」

 ひとりでプレーするという意味では、決して、ない。同学年で29歳のリーチ マイケルいわく、「田村がチームを引っ張ってくれています。さっきも、どう(試合中に)チームを落ち着かせるかという話をしました」。事実、3月20日にチーム練習へ合流してからは、戦術確認などの際に積極的に意見を出していた。

 司令塔のSOとしての仕事には、首脳陣の示すゲームプランの理解と味方との連係も含まれる。長らくサンウルブズや日本代表のSOを張る田村の「僕が、やる」との言葉も、チームと歩調を合わせて勝利をつかむ意志の表れなのだ。

 広い視野と鋭いパスやキックを持ち味とする本人は、こうも続ける。

「そこ(局面ごとのすべきプレーの共有など)がいままででのサンウルブズに足りなかったことだと、ジェイミー(・ジョセフ ヘッドコーチ)に言われたから。僕は、皆がいいプレーをしないと、僕もいいプレーができない。皆にいいプレーをしてもらわないといけないので、(必要なことを)言います。僕は身体能力的に優れてはいないので、皆にサポートしてもらわないといけない。皆にいい状況を作ってもらって、最後に僕がいいプレーをする」

 球が動く間に自分の前後に立つ味方へ首尾よく指示する。最前列のランナーが防御をこじ開ける間に、次の攻撃方向を指定する。後ろで待機する仲間が迷いなく攻め上がったのを見計らい、再び周囲と連係を図る。その延長線上で、一撃必殺のパスやランでトライを狙う…。「皆にいい状況を作ってもらって、最後に僕がいいプレーをする」の一例は、こういった流れを指していよう。

 昨年度に負った足の怪我のため、開幕前のキャンプ時から別メニューで調整した。3月の南アフリカ遠征にも帯同せず、日本代表予備軍が集まるナショナル・デベロップメント・スコッド(NDS)で復調を目指した。24日にあるチーフスとの第6節は、田村にとってカムバックの80分となる。

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