台湾は日本や中国のような自動車社会ではなく、街中では多くのバイクやスクーターを見かける。日本と違い1台に4人乗りで走行する親子や、なかには足元に犬が座っていることもある。日本であれば、道路交通法違反になってしまう光景も、台湾であれば珍しいものではない。
「台湾に住む日本人も足代わりにバイクに乗っています。台湾には原付や小型、普通、大型という排気量に応じた免許区分はありません。日本の普通自動車免許を持っていれば、簡単な手続きをするだけで、自動車だけでなくどんなバイクも台湾国内なら運転は可能です。手続きは、まず日本台湾交流協会(大使館に相当)で翻訳文の書類を作成し、次に免許センターへ行き、身体測定と書類を申請して終わりです。つまり実地試験を受けずに“ナナハン”でも運転できます。日本でも普通自動車免許があれば原付には乗れますが、台湾では普免でハーレーが乗れるのです。ただし、乗りこなせればですが…」(台湾在住の商社会社員)
ところが、日本人の普通免許不保持者が台湾でバイクに乗るためには、筆記試験と実技試験に受からなければならない。この実技試験が難解なのだという。
バイクに乗ったことがないとまず合格できない
「書類を提出、次に身体検査が行われ身長、体重、聴力、色覚、視力検査が行われる。さらに視野の検査と動体視力、手でグーパーを繰り返す動作の検査をし終わったら検査料(200台湾元=約800円)を払って身体検査は終了します。筆記試験は専用のパソコンを使う〇×式です。合格すればそのまま実技の試験場に行き、125ccのバイク(試験場によって異なる)に乗車して行われます。まずはいわゆる一本橋。幅40センチ、長さ15メートルの直線コースを7秒以上、足を着かず、コースからハミ出ずに走らなければなりませんから相当難しい。その後、カーブ、踏切、信号機のあるコースを走ります。とにかく直線コースでの試験は、バイクを操作した経験がないとまず受かりません」(同・会社員)
台湾人でバイクの免許だけを取得する人は、かなりの少数派だという。だからなのか、試験場に行くにはすごく不便だ。
「ここで何が起こるかというと、バイクに乗って試験を受けに来て、不合格になるとそのまま乗ってきたバイクで帰宅するなんてケースもあるのです。でも、ほとんど不問です!」(同・会社員)
大らかな風習過ぎるのも考え物だ。
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