タイのとある警察署に、ナイフを持った男が押し入った。普通ならその場にいる警官はこの男を取り押さえようと身構えるだろう。アメリカ辺りだったらその場で射殺されてもおかしくないかもしれない。
だが、その場に居合わせた警官、アニルト・マリー氏の対応は全く違うものだった。
マリー氏は穏やかにナイフの男に話しかけ、大きくハグしたのだ。
・ナイフを持って襲撃してきた男をハグした警官
昨年(2017年)の夏のこと。バンコクのフワイクワーン警察署に、大きなナイフを持った男が現れた。
しかし、警官のマリー氏はこの男を撃つでも取り押さえるでもなく、ナイフを渡すように説得したのである。
説得に応じた男はおとなしくナイフを渡した。するとマリー氏はそのナイフを投げ捨て、男に大きなハグを返したのである。
45歳になるこの男は、ずっとミュージシャンとして活動していた。しかし、この3日間は警備の仕事に就いたものの、賃金を受け取っていなかったのだそうだ。
そのような状況に加えて、愛用のギターが盗まれ、ストレスが極限に達したのであった。
マリー氏は自分のギターをこの男にプレゼントしようといい、一緒に食事に行こうと提案した。最終的に、男は病院に行ってストレスチェックを受けることになったのである。罰金等は課されていない。