チリに囲まれた巨大なブラックホールは星を引き裂くと、超高速の粒子のジェットを噴出する。そのエネルギーは太陽が1年に放出する量の1億2500万倍だという。
超大質量ブラックホールは、太陽の数百万倍から数十億倍もの質量を持つブラックホールで、ほとんどの大型銀河の中心に存在すると考えられている。
この怪物に接近した星は、強力な重力によって引き裂かれる。これを「潮汐破壊現象(tidal disruption event)」という。
ブラックホールが星を引き裂くと、その物質は回転する円盤を形成し、穴の中に落ちる前に明るく輝く。
これまでの研究では、粒子のジェットが降着円盤の極から外側へ向かってとんでもない速度で噴出されるとも示唆されていた。
ARP 299~BLACK HOLES and COLLIDING GALAXIES
・衝突する銀河「Arp 299」を観測
今回の研究によると、超大質量ブラックホールはほとんどの場合は、活発に何かをむさぼっいるわけではないという。
これまで検出された少数の潮汐破壊現象は、このジェットの形成と進化について学ぶチャンスを与えてくれている。
今回の報告に関して研究者が手にした最初の証拠は、「Arp 299」という地球から1億5000万光年先で衝突する銀河のペアを解析して明らかになったものだ。 これは、カナリア諸島のウィリアム・ハーシェル望遠鏡によって2005年6月30日にもたらされた。