暴挙 トランプ関税で世界大暴落に怯える日本鉄鋼業界

| 週刊実話

 「アメリカ・ファースト」を掲げるトランプ米政権が発動した日本、中国を対象とした、鉄鋼とアルミニウムの輸入制限と追加関税。6月20日には米商務省が、除外対象として7社の製品を選定したと公表したが、全体像はまったく見えず、鉄鋼業界の不安は少しも払拭されていない。
 「そもそも今回の鉄鋼・アルミ関税は、トランプ大統領にとっての11月の米中間選挙向け。アメリカは年間3500万トン前後の鉄鋼を輸入しているが、最大の輸入国はカナダや韓国、メキシコで、日本はごくわずか、ほかドイツ、中国も少ない。その少ない国を追加関税の対象にして、カナダ、韓国を対象外にするなど複雑怪奇の動きだ」(鉄鋼業界関係者)

 ここで世界の鉄鋼業界の、ここ数年の動向を見ておこう。
 「最近は落ち着きを取り戻しましたが、3年前までは大不況でした。原因は、中国経済の大ブレーキ。世界の鉄鋼は2015年に16億トンが生産され、中国は8億トンと言われていた。しかし実際、中国は11億トンを生産し、3億トンも過剰生産という、世界最大で最悪の鉄鋼生産国となっていたのです。これにより内需で消化できず、投げ売り状態となって、世界の鉄鋼価格が大暴落してしまった」(経済誌記者)

 当然、日本の鉄鋼業もその煽りを食った。国内最大手の新日鉄住金は、2015年9月中間決算が売上高で対前年比9.8%減の2兆5075億円。2位のJFEスチールも同決算で対前年比7.3%減の1兆7132億円と大ダメージを受けた。

 世界中から批判を受けた中国は不良企業を潰し、さらに大手鉄鋼会社同士を合併させることで、2020年を目標に1億5000万トンの粗鋼削減という荒治療策に打って出た。
 「それに加え、車やIT関連で世界経済が持ち直し、鉄鋼業も回復基調となった。2017年4月〜9月の決算を見ても明白で、新日鉄住金は売上高が対前年比27%増の2兆7450億円。JFEが同15%増の1兆7253億円、さらに神戸製鋼所も同11.3%増の9070億円に達したのです」(同)

 しかし一方で、世界の鉄鋼企業間の競争は激しさを増しているという。
 「もはや単に鉄を作るだけでは生き残れない。

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