自分の宗旨宗派が不明でも、なぜ葬儀では宗教を必要とするのか

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自分の宗旨宗派が不明でも、なぜ葬儀では宗教を必要とするのか

冠婚葬祭の中でも、前もって日取りがわからないのが「葬儀」です。死は誰にでもやってくる問題でありながら、何かとあたふたとすることが多い「お葬式」の問題。日本人にとって意外とネックになるのは、宗教の問題なのではないでしょうか。日常的な法事を行わない家庭も多くなり、家の宗旨・宗派がわからないという方が意外と多いのも現状です。それなのになぜ、葬儀では宗教が必要とされているのでしょうか。

■葬儀に宗教が必要な理由とは

日本においては、仏式の葬式が多く執り行われています。菩提寺から僧侶を呼び、お経をあげてもらうのが一般的な「葬式」のイメージという人も多いでしょう。ですが、世界的にみれば、キリスト教徒が世界の人口の約3分の1を締めています。キリスト教にも諸派ありますが、一般的なキリスト教の葬式は、賛美歌を歌い故人をおくります。仏式の葬式とは全くイメージが違います。

このように、なぜ葬式には宗教行為が関わってくるのでしょうか。それは、宗教が「死生観」を説いているからだと考えられます。死後の世界を説き、そのために今の私たちがどうするべきなのか、という点が宗教の大きなテーマとなっているからです。ですから、「葬式」は、それぞれの宗教の教義に基づいて、宗教行為を伴って行われるのです。

■現代において葬儀に宗教は必要か

現在の日本においては、特定の宗教に属さない人、また無宗教という人も多くなりました。また、個人の「宗教の自由」が憲法で保障されている現代、その人だけが別の宗旨であるということも珍しくありません。

先に述べましたように、宗教は「死生観」を大きなテーマとしていますから、葬式で宗教行為を行うということは、その死生観を体現した式にする、ということにほかなりません。これが、葬式で宗教行為が行われる大きな理由です。

ですが逆に、結婚式においても「人前式」という宗教行為を伴わないスタイルがあるように、葬式においても「自由葬」と呼ばれる、宗教行為を行わない式もあります。現代日本人の無宗教者における新しい形ともいえます。

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