トランプの長女・イヴァンカのブランドが「廃業に追い込まれた」本当の理由

| まいじつ
(C)Roman Samborskyi / Shutterstock

トランプ米大統領の長女にして大統領補佐官を務めるイヴァンカ・トランプ氏が、7月24日、自身の名を冠したファッションブランドの廃業を宣言した。

公式の理由は、「目の前にある仕事に集中することが、ワシントンにいる私のすべきことだと考えます」とのことで、補佐官業務に専念するためだという。実際、補佐官になってからの1年4カ月間は、イヴァンカ氏はブランドの経営から退いていた。

「いわゆる有名人ブランド商法ですが、公式に発表された理由より、舞台裏では中国側の嫌がらせがあったのではという憶測を呼びました。しかし実際は、アメリカではトランプ一族の商品を扱っている店では買い物をしないようにという不買運動もあって、イヴァンカブランドを取り扱わない大手デパートや衣料チェーン店が増えていました。ですから、アメリカでは売れず、通信販売に頼るだけになっていたのです。中国でも貿易戦争勃発直後から売れ行きがピタリと止まり、これ以上のビジネスは赤字になると決断したのでしょう」(在米日本人ジャーナリスト)

父親の政策が仇になる

トランプ大統領は「アメリカ製品を買え」「アメリカに雇用を」と、事あるごとに叫んでいるが、愛娘の衣類は中国製やベトナム製、バングラデシュ製だ。ちなみに中国の嫌がらせ説については事実は逆だ。

「イヴァンカ製品は中国で製造されていますから『MADE IN CHINA』として対米輸出され、高関税をかけられます。ですから父親の貿易戦争のあおりを受けているわけです。しかもアメリカの人権団体が四川省にあるイヴァンカブランドのメーカーを視察し、労働条件が厳しいとの報告書を上げようとしたところ、中国当局からスパイ容疑で拘束されているのです。また中国のメーカーに言わせると『注文がこなくなったからとうの昔に生産はやめている』(サウスチャイナ・モーニングポスト7月26日付)というのが現実で、中国の嫌がらせは全くの誤解です」(同・ジャーナリスト)

“買ってはいけない”運動がイヴァンカ氏の首を絞めたわけだ。せっかくの親の七光りも、その親が嫌われ者では万事休すである。

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