制度開始から2年半が経過したマイナンバー 相続との関係性を改めて解説

| 心に残る家族葬
制度開始から2年半が経過したマイナンバー 相続との関係性を改めて解説

平成28年1月からマイナンバー制度が導入されてから既に二年が過ぎた。当初は混乱が予想されていたらしいが、詐欺事件が報道されていた位で大きな問題にはならなかったようだ。マイナンバー制度は、登録されている個人が所有する銀行口座に紐づき、個人の全ての所得が税務署において一元管理される制度でもあるのだ。今回は、マイナンバー制度と相続について触れてみたい。

■そもそもマイナンバーによってなにがどうなる?

租税とマイナンバー制度の関係について、一言で説明すれば租税の申告漏れを把握し易くなるということだ。相続税だけではなく、所得税並びに贈与税も関係している。平成33年1月から預金口座と証券口座について、金融機関は個人の口座に関する全ての情報をマイナンバーによって検索することができる状態で管理する義務を負うことになった。具体的に説明すると、銀行等の金融機関は税務署による相続税やその他租税の税務調査に関して、マイナンバーに登録されている個人の預金口座の情報を即座に開示する義務を負うことになったのだ。前述のように全ての預金口座と証券口座の入出金から、相手先の情報まで全てが網羅されることによって、租税回避行為を防止することが目的となる。

付け加えると、相続や生前贈与に関して、海外の銀行を経由して国内の預金を海外資産へと移転した場合や、海外にて金地金を購入し日本国内に持ち込まないといった行為の把握が困難であった状況を鑑みて把握し易くしたとも言える。

■租税回避とみなされやすい行為とは?

全ての預金口座の情報が開示された場合、税務署に租税回避行為と見做されないようにするにはどうすればいいのだろうか。それは、次に租税回避行為または目立ちやすい行為について挙げてみるので参照して欲しい。

(1) 収入が少ない割には本人名義の預金残高が多い。
(2) 収入が多いはずなのに、本人名義の預金残高が少なく、また本人名義の資産も少ない。
(3) 副業をしている場合、副業で得た収入を隠している。
(4) 定期的に本人名義の海外の銀行口座へ送金しているが、本人が海外に旅行した若しくは短期間でも滞在した証拠が無く、海外の銀行口座に着金直後に預金が全額引き出されている。

大体は上記のような状況だと相続税の税務調査の対象になり易くなる。

■不安がある方は専門家に相談するべき

もしも自分が該当しそうだと感じているならば、税理士や弁護士等の専門家に相談すべきであると考える。しかし、注意して欲しい点がある。マイナンバー制度について熟知しており、確りとした対策を立てることができる専門家に相談しなければ意味が無い点だ。この点を無視すると、相続税対策が無意味になってしまうからだ。安全な相続税対策の為にも熟慮して欲しい。

ピックアップ PR 
ランキング
総合
社会