障害は努力で直る?ドラマ『健康で文化的な最低限度の生活』の描写に批判

| まいじつ
障害は努力で直る?ドラマ『健康で文化的な最低限度の生活』の描写に批判

吉岡里帆主演ドラマ『健康で文化的な最低限度の生活』(フジテレビ系)の第7話が8月28日に放送されたが、この回の“オチ”が物議を醸している。

同ドラマは生活保護受給者と向き合う「生活課」に所属する新人公務員・義経えみる(吉岡)が主人公。同僚や上司たちに支えられながら、生活保護受給者と心を通わせていく。

第7話では、えみるの同僚で頭脳明晰な栗橋(川栄李奈)が、中林吉徳(池田鉄洋)という生活保護者を担当する。中林は栗橋が何度求職活動を促しても働こうとしないため、栗橋は「近いうちに生活保護を打ち切る」と宣言。しかしその後、中林は字が読めない“識字障害”だと判明した。中林は「文字がぼやけるというか…。漢字はもうごちゃごちゃになって。見るだけで苦しいというか」と症状を説明する。

すると栗橋は、中林に障害者手帳を取得させた上で、中林とともに求職活動をすることに。しかし採用担当者たちは、「全く読み書きできないのですか? 苦手とかじゃなくて? 勉強してもだめだった?」などと、識字障害をいぶかしがるため、栗橋は「この識字障害というのは、そんな簡単な問題じゃないんです!」と、中林に代わって激怒。だが栗橋は中林を障害者扱いし過ぎてしまい、「障害者、障害者って、やめてくれよ!」と中林から嫌われてしまうのだった。

その後中林は、栗橋が自分のために必死に頑張っていてくれたのだと気付き和解。中林は“ひらがなのドリル”を購入し、少しずつ読み書きができるようになっていった。

識字障害に対する認識が足りない

しかしこのオチに対して、視聴者からはツッコミが続出。

《ひらがな勉強ドリルって…。そんなんで解決するなら努力不足って話になるじゃんか。ダメだよこの展開! ますます障害は努力不足って間違った認識が広がるよ……》
《子ども用のドリルで勉強してどうにかなるなら、結局努力が足りなかったって言われかねないのでは?》
《川栄李奈のセリフは正論づくしで見応えあったのに、最後の小学生ドリルでひらがなの書き取り練習するのにものすごい違和感》
《学習で改善する病気なのか疑問に思った。だったらもっと早い段階で自分で頑張ったりお姉さんに勉強すすめられてるんじゃ?》
《識字障害はドリルでなんとかなるものなのか…?》

作中で中林が使用していたひらがなドリルは、「特別支援の子どもにも効果的」「文字を書くのが苦手な子どものため」というもので、一応通常のドリルではなさそうだ。しかしそれでも、練習をすれば読み書きができるようになったのは事実。ドラマだけを見ると、識字障害は本人の努力が足りないせいだと判断してしまうだろう。

デリケートな話題を扱っているだけに、同ドラマには今後もさまざまな賛否の声が上がりそうだ。

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