短期間で連続して行われるお盆とお彼岸の関係性や意義を考えてみた

| 心に残る家族葬
短期間で連続して行われるお盆とお彼岸の関係性や意義を考えてみた

今年のお盆は、不安定な天気やそれまでの猛暑による疲れなどで、過ごしやすいとは言い難い人達もいたのではないだろうか。お盆と先祖の供養は切り離せないほどセットになって世間に認知されている。お盆が過ぎたと思ったらやってくるお彼岸も、先祖の供養が行われる習慣があるが、お盆の時期ほど目立った行事ごとの話は聞かない。行っていることは同じようにも見えるこのような供養の行事が短期間の中で続いている。それぞれどのような意味合いがあるのだろうか。

■先祖と共にこの世で過ごすお盆

そもそも、かつてのお盆の行事は7月に行われていた。これが月遅れの盆の8月に行う地域が増えた経緯には諸説あるが、一説には、7月は農家が忙しい時期とかぶってしまいゆっくり先祖を供養できないため、比較的時間を作りやすい8月になったとされている。
昔は今と違い、農業を営む国民が圧倒的に多かったという背景からも、この流れは合点がいく。

お盆は一般的に、先祖がこの世に帰ってくる期間を指す。行事のひとつに迎え火(精霊迎え)や送り火(精霊送り)があるのは、先祖の霊が迷わず帰ってこられるように、あの世に見送るために、という意味合いがある。お盆の期間は、あの世から来た先祖とこの世で一緒に過ごす、とイメージするとわかりやすい。

■極楽浄土がもっとも近いお彼岸

先祖を供養するという点では同じなのだが、お彼岸はお盆とはまた意味合いが変わる。

お彼岸は、秋分の日(又は春分の日)とその前後3日間の合計7日間を指し、お彼岸法要には特別な決まりはない。もともとは、今のように季節を表す言葉ではなかった。仏教では、現実の苦悩に耐えるこの世のことを此岸(しがん)、修業を積み悟りを開いて到達する仏の世界(極楽浄土)を彼岸としている。そして極楽浄土は西の彼方にあると捉えられている。

秋分の日(又は春分の日)には太陽が真東から上り真西にまっすぐ沈むので、この日が「極楽浄土とこの世が一番近い日。この日に極楽浄土(西)に向かって拝むと功徳がある」という考え方が生まれ、この日に故人を供養するようになったとされている。

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