本田圭佑が日本サッカーに提言した「新ルール」は誰のため?

| アサ芸プラス
本田圭佑が日本サッカーに提言した「新ルール」は誰のため?

 元サッカー日本代表で現在はオーストラリアのメルボルン・ビクトリーFCでプレーする本田圭佑がサッカー指導者について独自の提案をツイッターで行い、賛否両論が巻き起こっている。

 9月19日のツイッターで本田は〈今のコーチングライセンス制度は廃止して新しいルールを作るべき。プロを経験した選手は筆記テストだけで取得できるのが理想〉と提言。改革を訴えた。

 現在、Jリーグや日本代表で監督になるには、日本サッカー協会が認定する指導者免許を取得する必要がある。「S級ライセンス」と呼ばれる免許だ。S級を取得するには講習を受ける必要があり、それなりの時間を要する。本田はこれを筆記テストだけにして、もっと取りやすくすべきだという。S級の保持者が増えれば競争が生まれ、より切磋琢磨するはずだというのだ。

「本田の提案を議論する前に、まず、なぜライセンス制度が生まれたのか考えないといけません。かつて日本サッカー界には全体としての指導方針がなく、指導者がそれぞれ勝手に教えていました。人によってまったく逆のことを教えているなんてケースもありました。そこで指導者が同じ方向を向いて強化ができるようにライセンス制度が導入されたんです。本田選手は能力がある人にはすぐにS級を与えるべきだと言いたいのでしょうが、大切なのは能力ではなく指導者がみな同じ方向を向くということ。S級の取得に時間がかかるのはそれだけ重要な役割を担っており、身につけないといけないことが多いということです」(サッカーライター)

 一貫した方向性を持つことで指導のレベルが上がり、日本サッカーは大きく発展した。ライセンス制度ができたことで、小野伸二や稲本潤一、高原直泰ら“黄金世代”が誕生したと言われている。だが、時間の経過とともに新たな問題も発生しているのは確かだ。

「指導方針か浸透したことで、指導者の個性がなくなりました。同じようなことを同じように教えるようになったんです。そこから生まれるのはどれも似たような選手ばかり。日本で指導を受けてきた選手は個性がなくなったと指摘されています。

ピックアップ PR 
ランキング
総合
スポーツ