仙台警察官刺殺事件 優しい大学生が崩壊した“二つの人格”

| 週刊実話

 多重人格という言葉が有名になったのは、アメリカで強盗殺人で逮捕・起訴された“24の人格”を持つと言われるビリー・ミリガンの存在だ。

 「口数は少なく物静かで、成績は上位のほう。兄弟喧嘩をしているのさえ見たことがない」(中学・高校の同級生)
21歳の大学生が交番を襲い、警官をを刺殺したという事件に「あの彼が?」と、友人や隣人たちは驚きを隠さない。それほど、同人物が起こしたとは思えない事件だった。

 宮城県警仙台東署東仙台交番を襲い清野裕彰巡査長(33)を刺殺したのは、近くに住む21歳の大学生だった。東北学院大学文学部歴史学科3年の相澤悠太容疑者は交番に詰めていた別の巡査部長(47)によって射殺された。

 相澤容疑者は、9月19日午前4時すぎに「現金を拾ったので届けに来た」と交番を訪ねた。身長163センチ、60キロの小柄な身体を、黒の半袖シャツと紺のGパンで包み、顔には白いマスクをしていた。

 交番には奥の部屋で2人の警察官が仮眠しており、若者が訪れたとき、清野巡査長が応対。巡査部長は扱いを任せて奥へ引っ込んだ。

 清野巡査長が1人になったところで、若者はいきなりエアガンを顔に向け発射、さらに包丁で襲いかかった。

 「エアガンとはいえ、至近距離から撃たれたことで、巡査長はとっさに逃げようと若者に背を向けた。すると相澤容疑者は背後から襲いかかり、包丁で何度も巡査長を刺した。司法解剖の結果、肩などに10カ所の刺し傷があり、そのうち左脇腹からの傷が心臓に達しており、これが致命傷となった。若者は、これらの凶器のほかに小型ナイフ2本、模造マシンガン、ハサミを所持していた。巡査部長には、マシンガンの様なものと包丁で立ち向かい、射殺された」(捜査関係者)

 容疑者は、交番から東へ700メートル離れた仙台市宮城野区の2階建ての住宅に、両親と弟の4人で暮らしていた。
「悠太君は中学、高校から東北学院大学付属校へ通い、大学もエスカレーター式に入ったと思います。小さい頃からおとなしく、穏やかで優しい子でした。動物好きで、裏に住む女性が飼っていた猫を可愛がり、中学・高校でも、好きな動物を扱う生物部に所属していたはずですよ」(近所の住民)

 別の近隣住民が続ける。

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