トヨタ自動車で6戦6トライの岡田優輝、トップリーグも幼なじみと一緒。

| ラグビーリパブリック

 子どもの頃からボールを追いかけていた仲間たちと、トップレベルの舞台でしのぎを削る。トヨタ自動車の岡田優輝は、よくできたフィクションのようなリアルを生きている。

 出身の伊丹ラグビースクールで一緒にプレーしていた喜連航平、前田剛、梶村祐介も今春からそれぞれNTTコム、神戸製鋼、サントリーに加わり、国内最高峰のラグビートップリーグに挑戦中。なかでも岡田は、かつて南アフリカ代表を率いたジェイク・ホワイト監督に「ラグビー理解度」を認められている。開幕から6戦連続で先発中だ。

 以前からの友人のうち、サントリーの梶村とは開幕節で対戦。喜連や前田とも、いつかは同じフィールドに立ちたいと思っている。

「小学校から本当に仲がいい選手たちと同じトップリーグという舞台でやらせてもらっている。いい刺激をもらっています」

 確か、煙草を耳から入れて鼻から出す、だったか。

 岡田が5歳だったある日、4人が通っていた白ゆり幼稚園の垂優園長が手品を披露。「仕掛けが分からない子はラグビーをする」という約束をしていた結果、皆、揃って楕円球を追うことになった。垂は、伊丹ラグビースクールの創設者だった。

 友だちとラグビーをするのは、楽しかった。小学生になった岡田たちは、週末になれば午前中は伊丹ラグビースクールの練習に出て、午後は近所の公園で自分たちだけでボールを追いかけた。

「いま考えたら何をしてるのかなと思うんですけど、本当にラグビーが楽しくて。ずっとサインプレーを考えたりしていました」

 BKの複数ポジションをこなせる岡田は、大阪桐蔭高、帝京大で活躍。20歳以下日本代表にもリストアップされた。もっとも当の本人は「周りに比べたら能力はまだまだ」。仲の良かった梶村は、報徳学園高3年時に日本代表の練習生になっていた。友人に先を越された感覚も手伝ってか、謙虚さを保っている。

 トップリーグではここまで6トライをマーク。ホンダのレメキ ロマノ ラヴァ、トヨタ自動車のヘンリー ジェイミーに続く3位タイの成績だ。上位2名は日本代表への合流により最後の第7節を欠場するだけに、逆転でのリーグ戦トライ王獲得も見えてきた。

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