缶詰の普及は関東大震災がきっかけ?日本で初めて作られた缶詰はイワシの油漬け

| Japaaan
缶詰の普及は関東大震災がきっかけ?日本で初めて作られた缶詰はイワシの油漬け

食品を缶に密封したのちに加熱、殺菌することで長期保存ができ、非常食としても役に立つ缶詰。遠征における食料補給の問題に悩まされていたナポレオン・ボナパルトによる懸賞に応え、1804年にニコラ・アペールにより長期保存可能な瓶詰めが発明されました。

ガラス瓶は重くて破損しやすいという欠点があった事から、1810年にイギリスのピーター・デュランドが、ブリキでできた金属製容器に食品を入れる缶詰を発明しました。この発明のおかげで、腐りやすい食品を長期間保存・携行することが簡単になりました。

日本で缶詰が造られたのは、イギリスでの発明から約60年後の1871年のこと。長崎の外国語学校・広運館に勤めていた松田雅典(まつだまさのり)は、フランス人のレオン・デュリーが持ち込んだ缶詰を見て驚き、さっそく製法を学んでイワシの油漬けを試作しました。

日本で最初に缶詰を試作した松田雅典

本格的な生産が始まったのは1877年に北海道石狩市で石狩缶詰所が創業したことによります。

その創業時にはアメリカ人技師の指導の下、サケ缶が製造されていました。当時は、缶詰のことを「管詰」と表記していました。明治時代には、主に日本国外向けの輸出用、国内向けには軍需用として生産されていたため、庶民には普及しなかった

国内で本格的に缶詰が普及したのは、1923年の関東大震災以降。震災時に救援物資として缶詰の食糧が配給されたことによります。

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