【話題の1冊】著者インタビュー 情景師アラーキー

| 週刊実話

★ジオラマは立体絵画錆まで筆で描く
――アラーキーさんがジオラマ制作を始めたきっかけはなんですか?
アラーキー 幼稚園の頃に、ウルトラマンやゴジラのミニチュアを使った映像を見て衝撃を受けました。自分でもやってみたくて、弟とお菓子の箱の中に砂を撒いて、ミニカーやプラモデルを並べ『箱庭遊び』をしたのがジオラマ制作の原点と言えます。中学生になって、模型雑誌に書かれているテクニックを夢中で習得して、初めて本格的なジオラマを作りました。その魅力にすっかりハマって現在に至ります。

――空き缶や動物など、米粒ほどの大きさながら本物と見間違うほどのリアリティーですね。ジオラマ制作のテクニックはどのようなものがあるのですか?
アラーキー “本物のミニチュア化は本物を使う!”というのが鉄則なので、できる限り、木でできているものは木を使い、石は自然の石を使います。しかし、金属加工は専用の道具を使って作らねばならないのでハードルが高く、プラスチックの板や厚紙を使って作ります。それをまるで鉄で出来てるように見せる手法は、塗装で“錆が浮いているように見せる”ことです。茶色やオレンジ色などの模型用塗料を調色して塗装します。ジオラマは立体絵画と表現されることがあり、立体になったキャンバスに絵を描くようにして、錆の様子を筆で描いていきます。“立体の絵描き=ジオラマ作家”とも言えるでしょう。

――現在は脱サラして、ジオラマ作家として活動しているそうですね。
アラーキー 独立したのは、本職での仕事(家電メーカーのプロダクトデザイナー)が管理職になって、とても忙しくなり、ジオラマ作家としての制作時間が取れなくなってしまったことと、TVへの出演や、ジオラマ制作依頼が多くなり、作家としての仕事がしやすくなったことがきっかけです。現在は、広告代理店のCM用のミニチュア&ジオラマ制作や、私がいままで制作したジオラマ作品の展示会企画、関連本の執筆などを行っています。
 ジオラマを作ってみたいという人は、本書をぜひ一読してみて下さい。正直、ジオラマ制作はとても面倒な作業の連続なので、すべての方が「作ってみたい!」と思わなくてもよいと思っています。まずは私が作るジオラマを見て、作り方を知り、そしてミニチュアを撮影する楽しみを知ってもらえればと思っています。そして、「ジオラマが趣味です!」という方には、鑑賞したり、撮影したりするのが当たり前の趣味として広がればいいと思っています。
(聞き手/程原ケン)

情景師アラーキー(荒木さとし)
1969年東京生まれ。東芝にて家電製品のデザイナーをしながら、ジオラマ作家としての活動を続け、2015年にプロとして独立。得意とする表現は、アニメ作品から昭和ノスタルジーまでのマルチジャンル。

ピックアップ PR 
ランキング
総合
エンタメ