巨人の「大砲」爆買いの舞台裏 原監督が導入を企む新制度とは

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巨人の「大砲」爆買いの舞台裏 原監督が導入を企む新制度とは

 巨人が、ドラフトやFA、トレード、新外国人選手と、あらゆる手段で有力野手をかき集めたのは、「先」を見据えてのものだった。

 メジャーリーグのパドレスで今季20本塁打を放ったビヤヌエバ内野手を皮切りに、オリックスを自由契約となった中島宏之内野手、西武からFA宣言した炭谷銀仁朗捕手を獲得。トドメは広島からFA宣言した丸佳浩外野手を獲得し、打線を一段と拡充させた。

 これに“持ち腐れ”を危惧する声も上がっている。8つある野手のポジションのうち、ビヤヌエバと中島で内野の2枠、丸で外野の1枠、炭谷で捕手の1枠が埋まる可能性があるからだ。これに、主将の坂本勇人内野手と新4番の岡本和真内野手が加われば、内野は満席。ベテラン阿部慎之助も、代打以外に出番はない。

 なぜこれほど「大砲」ばかりを揃えたのか。透けて見えるのが、セ・リーグの「DH制」導入だという。
「交流戦、日本シリーズの成績を見ても、'75年にDH制を導入したパ・リーグ相手に、セの各球団は苦戦続き。DH制導入を願う関係者やファンは少なくない。パが、米大リーグのアメリカン・リーグをならってDH制を採用したのは'75年。当時、通算27本の代打本塁打記録を持つ高井保弘(阪急)に活躍の場を与える狙いがあった。DHがあれば、阿部をはじめとするスター選手の“寿命”も延びる。大砲が余る巨人にとって、レギュラーポジションが1つ増えるメリットは計り知れない」(スポーツ紙デスク)

 この動きを、巨人OBの王貞治ソフトバンク球団会長が後押ししているという。12月10日、都内のホテルで行われた原辰徳監督の「殿堂入りを祝うパーティー」に出席した王会長は、次のように述べている。
「野球人口が広がるという意味でDH制は魅力的。高校、中学生でDHを使うとなればレギュラーが増える」

 DH制が、子供たちの野球離れに歯止めをかける特効薬と訴えたのだ。
「大学野球でDH制を採用していないのは、全国26のリーグ中、東京六大学と関西学生だけ。こちらもDH制を採用する他リーグの方が優勢です」(前出・デスク)

 球界の「DH制統一」には、パ6球団も賛同しており、なんら支障はない。
 '12年、原監督は自ら音頭を取って、パ・リーグが先行していた「予告先発制」をセにも追随させた実績がある。セの「DH制導入」が、V奪還の鍵となるか。

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