現在放送中のNHK連続テレビ小説『まんぷく』で、NGシーンをそのまま使ったとされるカットが、注目を集めている。
それは、1月9日放送の第82話。この日は、桐谷健太演じる世良が、安藤サクラと長谷川博己が演じる立花夫妻の家を訪問。夫妻の息子がアメリカ帰りの世良に「世良のおじちゃん、アメリカの話して」とせがむのだが、子役はクッキーを食べながら話していたため滑舌がおぼつかず、非常に聞き取りづらかった。
すると世良は半笑いになりながら、「なんてー?」と聞き返す。子役は再び、今度ははっきりと「アメリカの話して」とせがみ、世良は話を始めるのだった。
これは明らかに子役のNGカットなのだが、制作サイドはあえて放送したのかもしれない。視聴者からも、
《子役ちゃんが怪しい滑舌なので、ナチュラルにもう一度聞き返す世良さんwwリアルな会話っぽいシーンでした》
《世良さんアドリブかしら? ちゃんと対応する子役もさすが》
《「なんて?」は絶対アドリブよねw それに即座に対応できた子供もすごい! 大物になるぞ!w》
《NGにならずに自然なやり取りになっていて、子役さんも賢いなぁと思う》
《子役のNGもアドリブでかばう世良さん…》
などといった声が続出していた。
役者の技量でNGも最高のシーンに
「NGシーンをあえて使うという手法は、他のドラマでも時々用いられる手口ですね。2015年放送のドラマ『下町ロケット』(TBS系)では、阿部寛が会話の流れから、母親役である倍賞美津子に“お前”と呼び掛け、笑いながらすぐに『あ、“お前”じゃないや』と訂正。これに倍賞も思わず吹き出していましたが、このNGシーンはリアルさが出ていることから採用されたようで、実際に正規カットとして放送されています」(テレビ誌記者)
NGを最高の正規カットにしてしまうのは、役者の技量がなせる業。これからも芸達者ぞろいの『まんぷく』では使われるかもしれない。