去る2月7日朝、東京市ヶ谷の防衛省で正門から男が侵入し、警備担当の自衛官の持つ小銃を素手で奪おうとする事件が起きた。
「門番は、防衛出動や治安出動がかかっていなければ、正当防衛以外では発砲できません。ですから小銃に実弾は入っていませんでした。某通信社はこの事件を『実弾は入っていないから奪われても人に発射される恐れはない』と配信し、だから安心というニュアンスで報道したわけですが、本末転倒も甚だしい。自衛隊の本丸である防衛省の正門警護には実弾の入っていない銃を持った門番しかいないことを、わざわざ世界中に広めたわけです。テロリストはビックリしたでしょうね」(軍事ジャーナリスト)
翻って警察官は実弾入りの拳銃を所持している。昨年4月11日、滋賀県彦根警察署河瀬駅前交番で、勤務中の警察官(犯行当時19歳の巡査)が県警から貸与された拳銃で、上司の警察官を射殺するという衝撃的な事件が起きた。
同年6月26日には、富山市で元自衛官の男(21)が交番で警察官を刺し殺し、拳銃を奪って約100㍍先の小学校の正門付近で工事の警備員を射殺するという事件が起きた。
警察が実弾を込めた拳銃を所持していても国民は疑問を持たない。無垢の市民を撃つはずがないという安心が前提にあるからだ。同様に国を守る軍人が実弾を込めた銃を持つのは「日本以外」では当然のことだ。自国民を撃つことなどありえないからだ。隣国に例外国もあるが。
ところが自衛隊は、基地によっては実弾や銃があっても厳重に管理され、簡単には取り出せないというシステムになっている。その理由は、憲法違反の自衛隊は「悪」で、過去、日本軍(自衛隊)の「武力」は侵略に使われたという歴史的事実(東京裁判の判決)があるからだ。
ところが現実としては、
「警察官が拳銃を奪われた事件は、13年以降で上記2件以外に6件起きており、うち3件で奪われた銃が使われています。自己の拳銃を使っての自殺もある。発砲件数に限っては、ざっくり言って暴力団より警察官の方が多い」(犯罪ジャーナリスト)
悪の自衛官の代わりに防衛省の正門には正義の警備会社のガードマンがいる。海外派兵は悪だから運ぶのは正義のペリカン便てな具合だ。お笑い自衛隊と言えるが、笑っている場合ではない。
世界中の笑いモノ「防衛省の門番の銃に弾が入っていなかった」事件
2019.03.05 22:00
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