「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」
誰でも一度は聞いたことがあろうこのフレーズ、ご存じ福沢諭吉『学問のすすめ』のプロローグです。
天、つまり神様は上下の隔てなく人類を創造された、つまり人類はみな平等である、という意味になりますが、そこからなぜ「勉強しなさい」というメッセージにつながるのか、疑問に思ったことはありませんか?
もしも人類がみんな平等なら、勉強しようがしまいが待遇や幸福度は同じ……だとすれば、つまり「勉強する労力ぶんだけ損」とも言えます(ごくまれに学問そのものが純粋に楽しい、という奇特な方もいますが……)。
若かりし頃の福沢諭吉。Wikipediaより。
なぜ福沢諭吉は学問を勧める本で人類平等のフレーズに言及したのか?学校の授業では教わらなかったその真意について、紹介したいと思います。
福沢諭吉のメッセージ言うまでもなく、『学問のすすめ』は「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」では終わりません。
少しだけ、その続きを引用してみましょう。
「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」と言えり。……
※『学問のすすめ』初編より。
この「~と言えり」というフレーズは「~と言われている」という意味になりますが、少し察しのよい方だと「このあと、これを否定する展開になるかも知れない」と勘づかれるかも知れません。
ご名答。その後の展開を、ごくざっくりと噛み砕いて紹介していきます。