作家・百田尚樹氏の著書『日本国紀』(幻冬舎)を批判する投稿をツイッターでしたことで、「幻冬舎から刊行予定だった文庫本を出せなくなった」と、作家の津原泰水氏が訴えている。
幻冬舎から単行本で発売されている津原氏の小説は、今春に文庫化する予定で進められていたというが、作業が大詰めを迎えた今年1月、担当編集者から「(日本国紀の)販売のモチベーションを下げている者の著作に営業部は協力できない」と伝えられたと、自身のツイッターで主張した。
編集者からそれ以前に忠告や警告はなく、しかも批判の話にはうなずいていたという。さらに津原氏は「違法な圧力です」とつづり、日本書紀の編集担当者から「文庫はどうなったか」という嘲笑めいた挑発を受けたと明かしている。
津原氏のツイートは5月16日現在、3000を超えるリツイート、2500以上の“いいね!”が付き拡散されている状況。しかも、このツイートは百田氏宛てにもファンから流され、一部ネットメディアや毎日新聞でも記事になるほど反響を呼んだ。
ネット上では、
《すごい話だなあコレ》
《これはひどすぎる》
《幻冬舎って怖いね》
《これは私企業とはいえ、言論に携わる出版社の行いとしてあまりに問題的ですね》
などと、幻冬舎への批判が相次いでいる。これに対して幻冬舎の見城徹社長はツイッターで、
《それでも、こちらからは文庫化停止は一度も申し上げておりません。担当者はずっと沈黙していましたが、あまりのツイートのひどさに「これでは私が困ります」と申し上げたところ「それでは袂を分かちましょう」と言われ、全く平和裡に袂を分かったのが経緯です。他社からその文庫が出る直前に何で今さら?》
などと反論。圧力を否定した。
しかし、毎日新聞の記者が幻冬舎に問い合わせをしたところ「文庫化を一方的に中止した事実はない」と否定したものの、日本国紀の批判をやめるように津原氏に伝えたことや、その直後に出版の話がなくなったことは認めている。津原氏は自分から出版中止を申し入れていないと幻冬舎側の回答を否定。ツイッターに担当編集者とのメールのやり取りを公開した。
文庫化が中止になった小説は、今年6月に早川書房から刊行予定だという。この問題は幻冬舎の対応次第で、さらなる泥沼化となるかもしれない。
百田尚樹氏『日本国紀』批判で小説文庫化中止になった作家が「違法な圧力」と版元を批判
2019.05.17 21:15
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