【相続税の連帯納付義務】相続人の一人が相続税を払えなかった場合の注意点

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【相続税の連帯納付義務】相続人の一人が相続税を払えなかった場合の注意点

お盆休み中のある日、友人達と某所にて歓談中に友人の一人から相続税に関する質問を受けた。曰く、相続税は相続人全員が納付しなくてはいけないのは知っているが、相続人の誰かが何等かの理由で納付しなかった場合どうなるのだろうか。というものだった。結論は相続税連帯納付義務(相続税法第34条1項)により、他の相続人達が納付しなかった相続人の相続税を納付する義務を負うことになるということなのだが、更に続きがあった。

■他の相続人の分まで納付できるほどのお金はないなんてことも十分あり得る

ただでさえ高額になることが多い相続税だが、他の相続人の分までとても納付できない場合はどうするのか。自分達の相続税の納付で精一杯なのに、借金を重ねてまで納付できない。こういった状況だと、税務署の差し押さえや裁判になるのだろうけど、連帯納付義務ということで納付しなかった相続人のせいで、真面目に納付した相続人が差し押さえられてしまうのは納得できない。とのことだった。ごもっともである。今回は相続税の連帯納付義務について触れてみたい。

■納税額に不足があった場合は相続人全員でペナルティ付の連帯責任を負わされる(相続税の連帯納付義務)

相続税の納付は相続人達がそれぞれ期限までに納付することになっている。納付期限までに納付すれば何も問題はないが、納付期限を過ぎてしまった場合は延滞税等のペナルティを課せられる。また、相続人のうち誰かが納付しなかった場合はどうなるかというと、前述の相続税法の規定のとおり、滞納した相続税を他の相続人が連帯で納付しなくてはならなくなる。

■相続税の連帯納付義務には期間と金額の制限がある

但し、自分が相続または遺贈によって取得した財産の金額の範囲内でのみ連帯納付義務を負うことになる。しかも、申告期限(納付期限)後五年以内について連帯納付義務を負うことになっているので、最低でも五年間は注意しておいた方がいいだろう。厄介なのが滞納した相続税を他の相続人が立て替えて納付した場合だ。立て替えた分が贈与したと見做されてしまい贈与税が発生するのだ。本来ならば、立て替えた場合求償権が発生することになるが、殆どが請求を諦めてしまうので実質贈与とされてしまうことが多いためだ。

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