九州独立説も? 今の日本人が知らない「日米同盟」の成り立ちとは

| 新刊JP
『日本人のための現代史講義』(谷口智彦著、草思社刊)

「賢者は歴史に学ぶ」という言葉があるが、私たちが歴史を学ぶ意味とは一体何だろうか?

一つは今を生きる私たちが過去の歴史から、自国が生き残る可能性を探り、進むべき未来の針路を定めること。もう一つは、歴史を知ることで、自分や自分の国、社会に対して、卑屈でも尊大でもない「正しい自信」を持つことではないだろうか。

■今の日本人が知らない「日米同盟」の成り立ち

『日本人のための現代史講義』(谷口智彦著、草思社刊)はこうした目的のために、安倍総理のスピーチライターを務める筆者が「現代日本人が知っておくべき戦後史」をつづる。

日米関係が単なる同盟関係というにはあまりにも入り組んでしまっているのはなぜなのか。成長を続ける中国は今後どんな道をたどるのか。そして、日本は世界の中でどう生き抜いていけばいいのか。

私たちが疑問に思うこのようなトピックに対して、本書は過去にさかのぼり、現在へとつづく因果を解き明かし、未来への道筋を示していく。

たとえば、今の日本人は、アメリカは日本の同盟国でありもっとも親しい友好国であるということを常識として知っている。しかし、アメリカはかつて日本と戦火を交えた国でもある。そのアメリカが日本と同盟関係を結んだのはなぜなのか?もっと言えば、アメリカが同盟相手として日本を必要としたのはなぜなのか?

こうしたトピックは、おそらく普通に歴史の授業を受けていただけではわからない。史実だけでなく、当時の世相を知る必要があるからだ。

第二次世界大戦後が終わってからわずか数年後、朝鮮戦争が始まった頃の日本は「共産化」の一歩手前にあったというのは今からするとなかなか想像しにくいことかもしれない。しかし、1950年、ソ連を背後に置いた北朝鮮軍(共産主義勢力)が南進することで朝鮮戦争が始まり、次々に朝鮮半島を制圧。共産化を逃れているのはかろうじて釜山とその一円だけという状態になると、日本国内の共産主義者たちが呼応した。

釜山が落ちたら、北朝鮮軍は必ず九州にやってくる。今こそ九州に革命政府を作り、日本から独立させるべきだ。

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