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人類はダイヤモンドをずいぶん昔から発掘してきたが、今回発掘されたそれは人類が初めて目にするものだ――ダイヤモンドの中のダイヤモンドである。
ロシア・シベリアで掘り出されたそれはダイヤの中が空洞になっており、そこに閉じ込められたもうひとつダイヤモンドがコロコロと転がっている。それはまるでロシアの民芸品のマトリョーシカ人形のようで、これにちなんでその名も「マトリョーシカ・ダイヤモンド」と呼ばれている。
'Matryoshka' diamond found!(マトリョーシカのダイヤを発見)
・マトリョーシカ・ダイヤモンド
じつのところ完璧なダイヤモンドなどほとんど存在しておらず、傷ついていたり、不純物が閉じ込められていたりするのはごく当たり前のことだ。
そして、これは決して悪いことではなく、そのおかげで地中奥深くに存在する希少な物質にお目にかかることだってできる。
だが、ダイヤの中に閉じ込められたダイヤなど前代未聞だ。
選別の最中にこれに気がついた慧眼の持ち主がダイヤモンド鉱業企業アルロサ社に送り、ここでラマン分光法、赤外線分光法、X線マイクロトモグラフィーによる検査が行われた。
An X-ray of the unusual diamond. ALROSA
・なぜダイヤの中に空洞が?
アルロサ社の研究者が特に関心を示しているのは、ダイヤとダイヤの間の空洞がどのように作られたのかということだ。
彼らの仮説は次のようなものだ。