これまでのあらすじ
時は江戸前期の寛文十1670年、1月に遠州灘で遭難した紀州のみかん商人・長右衛門(ちょうゑもん)ら7名は、約1か月半にわたる漂流の末、無人島(現:小笠原諸島・母島)にたどり着きます。
精神的支柱であった船頭・勘左衛門(かんざゑもん)を失った6人は、その死を乗り越えてサバイバル生活を耐え抜き、壊れた船の廃材から、新たに船を造り上げます。
そして島々を渡って本土の伊豆国下田(現:静岡県下田市)まで帰り着いた長右衛門らは5月7日、事件の顛末を届け出るべく下田奉行所に出頭したのでした。