「遺言書に財産の全てを長男へ相続させる」と記載されたことにより他の法定相続人達との間で争いが発生することはよくある。通常だと代償分割(相続税基本通達第11条2-9他)といって、相続した長男が他の法定相続人に対して現金等で代償することになる。また、長男が代償分割に応じない場合は、遺留分減殺請求(民法第1031条)によって他の法定相続人が遺留分(民法第1028条)を請求できる。遺留分とは、民法の規定により相続人が最低限相続できる財産を言う。2018年に相続に関係する民法が改正され、遺留分減殺請求の変更があった。2019年7月1日から施行だ。
■名称変更と現金対応が可能になった
何が変わったのかと言うと、最初に名称が変わったのだ。遺留分減殺請求から改正後には遺留分侵害額請求になった。更に、今まで遺留分については相続された財産のみで対応することとされていた。前述の例だと、長男へ不動産の全てを相続させるとなっていた場合、当該不動産について共有名義によって分割するしかなく、公平性に欠け、相続が終わっても不動産の売却や管理について訴訟問題となることが多々あった。改正により、財産が貰えなかった場合には、現金により遺留分を貰うことができるようになったのだ。つまり、長男は不動産の評価額に基づき、遺留分に応じた現金を他の法定相続人へ支払えば良いことになったのだ。
■現金対応が可能になったことによる影響
また、長男が不動産を相続により取得後、他の法定相続人へ対応する前に勝手に不動産を売却し、他の法定相続人に対抗しようとした場合、他の法定相続人は不動産の取戻しができず大きな損害を被ることになり兼ねない。これを防ぐには、家庭裁判所に処分禁止の仮処分を申し立て、売却ができないようにするしかなかったのだ。しかし、改正後には現金で対応することができるため、家庭裁判所に申し立てる必要はなくなった。
■他にもある影響
他にもある。前述の例だと、長男に現金を支払う能力が無い場合だ。不動産を勝手に売却されても、現金で貰うことになっているので別に問題はないのだが、長男が売却で得た現金を勝手に使い込んでしまい、本来貰えるべきであった現金が貰えないことになる。こうなると、やはり家庭裁判所に仮差押えを申し立てて対処することになるだろう。詳細は省略するが、対処としては現金にて済ませることができるので楽になった面はあると考える。
■遺留分侵害額請の時効
但し、遺留分侵害額請求には時効(民法第1048条)がある。「相続の開始及び遺留分を侵害する贈与または遺贈があったことを知った時から、1年間行使しないときは、時効によって消滅する」となっているので注意して欲しい。訴訟問題も絡んでくるため、個人だけで考えず、是非税理士や弁護士等の専門家に相談して、解決策を練っていくべきだと考える。
法改正で遺留分侵害額請求(旧遺留分減殺請求)はどう変わった?
2019.10.29 19:00
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