38年ぶりに来日したフランシスコ・ローマ教皇に賛美の嵐が巻き起こった。それに異を唱えるつもりはないが、バチカンには負の一面がゼロではない。
「今年3月13日、オーストラリアのヴィクトリア州裁判所は、同国で複数の性的暴行罪に問われていたローマ法王庁財務長官ジョージ・ペル枢機卿に対し、6年の禁錮刑を言い渡しました。教皇が就任直後に改革の騎手として任命した人物で、この罪で有罪になるカトリック教会の聖職者としては最高位です」(宗教ライター)
ペル枢機卿に対する教皇の動きが遅かったのは誰もが知る話で、政界なら「任命責任」を問われるところだ。
「また、教皇はウイグルやチベットに弾圧を行う中国を糾弾しないばかりか、中国弾圧を逃れて地下教会で活動する本物の信者を切り捨てているといわれています。中国政府御用達教会を資金源として公認する商業主義が、現在のバチカンにはびこっていることも見逃せません」(同・ライター)
教皇は2014年8月、韓国を訪問しているが、当時発した教皇のメッセージをあらためて見ると、今回、日本で発した内容と大きな違いが見られる。
教皇は同年4月に起きた旅客船『セウォル号』沈没事故の犠牲者を哀悼して、「韓国民すべてに深い哀悼を表す。韓国民がこの事故をきっかけに倫理的・霊的に生まれ変わることを望む」と強調した。
「倫理的、霊的に生まれ変わるようにという発言は、韓国国民は倫理的、霊的によくないと言っているのと同じです。同月18日に開かれた訪韓記念ミサでは、『和解はまず、自らその過ちを認めることから始まる』『猜疑、対立、競争心といったメンタリティーを捨て、福音と韓民族の高貴な伝統から成る文化を生み出すべきだ』『和解、統合、平和は神の恵みだ。それらは心の生まれ変わりを求めている』と、“和解”をキーワードに説教しています。日韓関係がアジアの平和の礎だと諭しているように聞こえます」(同)
カトリックの日本宣教は明らかに失敗した。信者数は全人口の0.6%前後にすぎない。それでも教皇は、今回の訪日に際し、日本国民の道徳性は、他の非キリスト教国の中で見られないほど高いとバチカンは認識していると語ったという。韓国では信者を相手にしているので安易な比較はできないものの、教皇は「日韓関係」の深淵にあるものをよくご存じのようだ。
38年ぶり来日 ローマ教皇が見た“日本と韓国”人間性の違いとは…
2019.12.07 06:00
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