神奈川県庁の行政データが入ったハードディスク(HDD)がネットオークションに出品されて転売・流出していた事件。もちろん最大の被害者はデータに含まれていた個人情報主で、なんでも納税に関する個人情報や秘密情報が大量に含まれていたというから、言い知れぬ不安に突き落とされたようなものだ。
管理のスキームは、富士通リース(東京・千代田区)が県庁にサーバーをリース、時期が来て交換する際には県庁が初期化してデータを復元できないように破壊する作業を受注したブロードリンク(東京・中央区)にHDDを引き渡し、富士通リースの指示の下でブロード社が実際に破壊するという分業スタイルが出来上がっていた。ところが実際は、このブロード社の50歳代社員が破壊前のHDDを盗んで持ち出し、オークションにかけていた。
「判明したところでは、窃盗行為は3年前から行われていたといいますから、市民の大事な個人情報の管理がトータルで各社の性善説に立ったかのような他人任せ体質だったことが分かります」(大手紙記者)
だから、直接の当事者であるこの三社のズサンな管理体制は改めて問われなければならないが、半面は個人犯罪の被害者でもある。ところが複数当事者を巻き込んでの情報管理とその信用問題に関わる件なので、迷惑は次から次へと連鎖し、あらぬ広がりを見せている。
「富士通リースという社名から、だいたいの人は富士通の子会社で起きた犯行と思うでしょう。そこで富士通では、『富士通リースは東京センチュリーが80%を出資する連結子会社』だというリリースをわざわざ発表して、あらぬ憶測の火消しを行いました」(同前)
社名に富士通とあるのは、もともとは富士通製品の販売推進を目的とした会社なので富士通とは深い縁があるから。現在も富士通が20%を出資するグループ企業ではあるが、厳密には東京センチュリーの子会社と断るというややこしい話なのだ。
またネットではおそらくは近隣業界関係者なのだろう、「ブロードリンクと取引がないか徹底的に調べて即日報告するように」との指示が出て「長時間対応に追われた」とコボすSEの愚痴も。