テリー おいおい、そんな言葉でごまかされると思ったら大間違いだぞ。
今野 アハハハハ、ちょっと待ってください。
テリー そこは読者にとっても大事なところだから。
今野 そうですね‥‥男性が近づいてきた時の匂いだったり、体の暖かさだったりを思い出して、書いていますけれど。
テリー そんな抽象的な表現をしていちゃダメだよ。
今野 そこは読者の方に想像していただいて‥‥。
テリー いやいや、東スポの風俗面には、オッパイやお尻がたくさん載っているんだから。
今野 はい、私の小説もそこに掲載されています。
テリー だったら、なおさらそんな場所で「匂い」とか雰囲気で流すのはまずいよ。俺が東スポの担当だったら「今野さん、ここはちょっと生々しくお願いしますよ!」なんて言っちゃうと思うな。
今野 そういうところもけっこう悩んじゃいますね。官能小説ってエッチな描写をいろんな形に比喩したりするじゃないですか。例えば「男性の塊」とか‥‥。
テリー それ、チ○チンのこと?
今野 はい(笑)。でも私はそういう書き方はしなくて、わりと直接的な言葉で書いてしまいがちで。
テリー 「チ○チン」って書いちゃうんだ。
今野 まあ、そんな感じです(笑)。でも、読者の方はどっちの書き方がエロさを感じるんだろう、って。
テリー ああ、それは杏南ちゃんの思う書き方でいいと思う。読者としては「杏南ちゃんが書いている」ことがいちばん大事なんだよ。