50代からの「目の重大異常」診断チェック(3)目の回復力を高める努力を

| Asagei Biz
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 年を取ると、やはり気になってくるのが老眼だが、最新の医療事情に詳しいライターの田幸和歌子氏によると、昨今の事情はかなり変化しているようだ。

「世界的に注目されているのは近視です。15年の論文によると、今年までに世界の人口の3分の1が近視になると言われています」

 近視といえば、若い頃だけ進行していくもの。これが通常の認識だった。だが、最近は50代以上になっても近視が止まらないという症状も出てきており、

「強度近視という、眼鏡やコンタクトで矯正できなくなる近視です。強度近視の中の病的近視を発症すると、網膜剥離などいろんな眼病を併発して失明に至ることが多い。病的近視は今や、国内の失明率5位というデータもあります」(田幸氏)

 年を取れば取るほど、その怖さが増してくる数々の眼病。しかし、田幸氏はこう付け加えた。

「ここ10年で医療技術は大きく進歩していて、近赤外光を利用して網膜の断面図を画像化できるOCT検査、網膜の広範囲まで見られるレーザーを使った最新の広角眼底撮影などで病気の早期発見が可能です。どちらも体に負担がかからず、短い時間で詳細な検査結果が得られます」

 それも、一刻も早い症状の発見があればこそ。あらためて掲載のチェックリスト、ならびにアムスラーチャートの活用を強くお勧めしたい。

 病気の発見も大事だが、その前に眼病を予防するという意識も忘れてはならない。

「それには疲れがたまらないよう、体を緩めて日々の回復力を高めることが大切です」

 そう語る武井氏が推奨するのが、血液循環をよくする目の体操だ。

「姿勢をよくして5〜6秒ずつ目いっぱい上、下、左、右を見る。そのあとにグルグルと右回り、左回りに目を回転させる。そのあとに、近いところを10秒ほどジッと見てから、次に遠いところを見る。これらを寝る前に行うことで、目の筋肉がほぐれて安眠できます。目に効くツボが集中している、こめかみのマッサージも加えると、さらに疲れが取れやすくなります」

 蒸しタオル、もしくは入浴時にお湯で温めたタオルを目に当てる。あるいは手をこすってからカップ状にして目に当てて温める、という方法も効果的だ。

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