新型コロナの対応にあたる医療関係者のメンタルヘルスの悪化が顕著に(アメリカ)
2020.04.03 18:30
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カラパイア
Casarsa/iStock
ここ数日というもの、アイリーン・ウォンさんは、スーパーへ買い物に行ったら何も売っていないという夢にうなされて目が覚めているという。
彼女はアメリカ、ペンシルベニア州で働く泌尿器科医で、対岸の火事と思っていたウイルスが、米国内で急激に広がっていることを不安に思っているとこぼす。
「遠くから津波が迫っているのに、自分も家族も守れないという不安や暗い予感があります。感染者数のグラフを見るのは本当に恐ろしいのですが、こうした心配を口にしても、自分の声は誰にも届かないという気持ちになります。」
ウォンさんは集中治療室の手順について復習しているという。彼女が担当する手術のほとんどは緊急性がないので予定が変更され、今後はコロナウイルス感染症に関連する手術の急増が見込まれるからだ。
また、経済的なストレスも感じているという。彼女の収入は5割から7割程度ダウンしてしまったそうだ。
・医療関係者のメンタルヘルス悪化が顕著
元々、医療関係者のうつ病罹患率は一般のおよそ3倍と異常に高い。しかし、新型コロナウイルス(COVID-19)の治療で強いられる難しい決断の数々が、多くの医師や看護師たちのメタルヘルスをいっそう悪化させるだろうと推測されている。
『JAMA Network Open』(3月23日)に掲載された研究は、COVID-19感染患者の治療にあたる中国の医療関係者のメンタルヘルス悪化を報告している。
1257名を対象とした本調査では、およそ半数でうつの兆候が見られ、ほかにも不安(45%)、不眠(34%)、精神的苦痛(72%)を経験していることが判明した。
感染症の震源地となった武漢では、全カテゴリーでもっとも重い症状が報告された。また看護師と女性も症状が重い傾向にあった。