大河ドラマ「麒麟がくる」経済効果の当てが外れたご当地の“悲鳴”

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大河ドラマ「麒麟がくる」経済効果の当てが外れたご当地の“悲鳴”

 だいたい大河ドラマでは、主人公の出生地や所縁の地が各種イベントやツアー観光で賑わうものだが、新型コロナウイルスが猛威をふるうこのご時世、「麒麟がくる」の明智光秀がらみのご当地は当てが外れてしまい、関係者は頭を痛めているようだ。

 光秀の出生地は明確には定まっていないが、一説では美濃国(岐阜県)を追われて越前(福井県北部)で10年ほど暮らしたとされている。また織田信長に仕える中で、越前朝倉氏を攻める際には若狭(福井県南部)に入り、金ヶ崎(福井県敦賀市)の退却戦で大役を果たした。だから、福井は光秀所縁の地の一つなのだが。

「3~4月のバスツアーのキャンセルが相次いだそうです。ツアー客だけでなく、マイカーで訪れる人もまばらだとか。地元関係者は、福井が舞台となる『越前編』は5月以降のスタートなので、それまでにコロナ騒動が収束していればと願っているようですが、現状を見れば危ういでしょうね」(週刊誌記者)

 京都亀山氏の丹波亀山城は光秀が丹波攻略のために築いた城で、築城によって城下町が形成され、この地が発展したという。「光秀寺」と呼ばれる「谷生寺」には光秀の首塚もある。その亀岡市で毎年5月3日に開催される「亀岡光秀まつり」は延期の憂き目となった。

「今年で48回を迎える祭りでしたが、3月30日に延期を決めて11月の開催を予定しているようです」(前出・週刊誌記者)

 同じ京都では、やはり光秀が築いた福知山城と「福知山光秀ミュージアム」が、公共施設の一斉休館で3月中に閉ざされた。年度内の入館者が10万人を突破した直後、目玉企画だった光秀の肖像画の展示が始まる直前のことだった。

 今年1月には、「光秀出生の地は滋賀県だった!」との古文書も発見された滋賀県は、もともと比叡山焼き打ち後に近江滋賀郡を与えられて坂本城を築城、10年以上にわたり城主を務めた所縁の地だ。その滋賀県大津市で開催されている「びわ湖・光秀博覧会」は数カ所での開催だが、こちらも延期があったり限定オープンだったりと、コロナ禍に翻弄される格好だ。

 と、新型コロナウイルスに完全に水を差されたことで関係者は一様にして肩を落としながら再開を心待ちにしている。もっとも先日、大河ドラマそのものが収録中止になってしまったのだから、それだけ時間的猶予も与えられたのかもしれない。

(猫間滋)

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