パラレルワールドの証拠か? 南極で氷から放出されたと思わしき宇宙線が観測される(米研究)
2020.05.27 20:30
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カラパイア
agsandrew/iStock
数年前、南極で氷から放出されたと思わしき高エネルギー粒子が発見された。
これまでの物理学の常識ではあり得ないことで、一部メディアでは、私たちが暮らす宇宙の鏡写しであるパラレルワールド(並行宇宙)の実在を示す証拠という説まで伝えられているが、その真相は?
・氷の中から噴出するあり得ない高エネルギー粒子
2018年に『Physical Review Letters』で報告された問題の宇宙線シャワーは、NASAの助成によって開発されたニュートリノ無線検出器「ANITA(Antarctic Impulsive Transient Antenna)」で検出された。
検出された高エネルギーを帯びたニュートリノは、宇宙からなら降り注いでくるが、硬い地球を貫通することはできないはずのものだ。
それなのにANITAが検出したものは、宇宙からではなく、氷の中からやってきた。念のために言っておくと、氷によって反射されたものでもない。
確かに低エネルギーのニュートリノならば地球を貫通することができる。だが、高エネルギーのものとなれば、そうはいかないのが物理学の常識だ。
これを検出したハワイ大学のピーター・ゴーラム教授は当時、粒子物理学の標準モデルとじつに強い緊張関係にある発見であるとコメントしている。