匂いが強い花は仏事にタブーなのに割と匂いが強い菊が選ばれる理由

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匂いが強い花は仏事にタブーなのに割と匂いが強い菊が選ばれる理由

菊の花がそこにあれば、その匂いから葬儀や仏壇を想像する人もいるだろう。匂いが強い花は仏事にはふさわしくないとされるのに、比較的匂いが強い菊の花が選ばれるのか疑問に思うことがある。菊の花の匂いに含まれる成分を科学的に見てみると、カンファーやボルネオールが含まれている。カンファーは頭をすっきりさせる効果がある。ボルネオールには、心を癒す効果がある。二つを合わせることで心に安らぎを与える効果があり、大切な人を失った遺族の心を慰める効果が期待できるのだ。

■菊花は天皇家の御紋に使われる格式高い花

菊の花ことばは「高貴」「高尚」「高潔」といった気品に満ちたものが並ぶ。天皇家の御紋や日本を代表する国の花としても桜と共に菊が使われており、格式が高い花とされている。

さらに菊は観賞用としてだけではなく、薬や食品としても活用されるなど平安時代には希少価値がある花とされていた。尊い花だからこそ、仏様や故人への敬意を示し菊の花をお供えするようになったのだ。

そして菊は邪気を払う花としても知られている。毎年9月9日の重陽の節句は、菊の花から生命力を貰い邪気払いを行うことから、別名菊の節句とも呼ばれているのはご存知だろう。

■菊は種類も豊富で切り花として長持ちする特徴も持つ

菊は切り花として長持ちしやすいことも、仏花として選ばれる理由だ。さらに花の終わりを迎える時も花びらが散りにくいため、仏壇やお墓を汚しにくい特徴がある。花の種類も豊富で、選ぶ楽しみもある。

本来は秋に花を咲かせる菊だが、昭和30年代に電照栽培が普及すると1年を通して菊の花が手に入るようになった。これも菊の花が祭壇や仏花として備えやすくなった理由といえる。

■左右の花瓶に5色の菊花を供えよう

葬儀や故人が亡くなってから日が浅いうちは、お供えにする花は白菊など淡い色の花が良いとされている。徐々に花の色を濃くし、最終的には明るい色の花を供えることとなる。種類が多い菊の花であれば、徐々に明るい色の花に変えていくことも容易だ。

仏花の場合、供える花の数は奇数がよいとされている。5本の花を左右一対でお供えするのが一般的である。この際「白、赤、黄、紫、ピンク」の組み合わせが理想とされている。菊の花は色も形も種類が豊富なので、菊の花だけでも変化にとんだ組み合わせが可能だろう。故人の好みやお供えをする人の好みに応じて選んで欲しい。

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