経済損失2.5兆円! 「300年分のマグマが…」富士山大噴火の「Xデー」

| 日刊大衆
写真はイメージです

 2014年9月27日に突如噴火し、死者・行方不明者63人を出した御嶽山(長野県)。日本にはこうした活火山が無数にあるが、最大のものは静岡、山梨両県にまたがる霊峰・富士山だ。「今年4月、政府は富士山の噴火に関する“警告シミュレーション”を発信したんです。時を同じくして、東日本では地震が多発するようになっているのも不気味です」(科学誌記者)

 すわ、富士山大噴火――コロナ禍、水害に蹂躙される日本に、これ以上の天災が降りかかるというのか。「一般にはあまり知られていませんが、実は東日本大震災は日本の火山活動に大変動を及ぼしました。発災した9年前から、富士山はすでに“大噴火のスタンバイ状態”と考えられます」

 こう警鐘を鳴らすのは、『富士山噴火と南海トラフ 海が揺さぶる陸のマグマ』(講談社)など、火山に関する多数の著書がある京都大学大学院人間・環境学研究所の鎌田浩毅教授だ。「震災時の巨大地震とその後の余震は、富士山が300年分のマグマを溜め込んでいるマグマ溜まりに“ヒビ割れ”を起こしました。マグマ溜まりにヒビが入るというのは、ビール瓶のフタが外れかかっているような状態なんです」

 さらに“発泡”と呼ばれる現象も、噴火の引き金になるという。「マグマには5%ほど水分が含まれています。その水が揺すられて水蒸気になり、体積が約1000倍に膨張するんです。これが“発泡”です。再びビール瓶でたとえるなら、瓶を振ってから開栓して、一気に中身が噴き出す状態です。東日本大震災で揺すられたマグマには発泡が起きており、現在は噴き出す寸前。再び地震によって揺すられたら、噴火する可能性はさらに高まりますね」

『富士山の噴火は始まっている!』(宝島社)の著書がある琉球大学の木村政昭名誉教授も、「最後に噴火したのは、300年以上前の江戸時代。しかし、史実によれば富士山は、もっと短い間隔で噴火してきた火山なんです」と、いつ噴火の“Xデー”を迎えてもおかしくないと指摘する。

 では、実際に噴火した場合、どれくらいの被害が出るのか。「火山灰によって自動車も列車も使えなくなります。他にも、灰が送電線に付着して停電が起き、浄水場の濾ろ過か装置が詰まって飲み水の供給がストップ。降灰地域の交通網やライフラインは、完全に麻痺してしまうでしょう。政府の試算では、経済損失は約2.5兆円に上ります」(前出の鎌田教授)

 悪夢は現実となるか。

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