10月31日に『第33回東京国際映画祭』オープニングセレモニーが開催され、俳優の役所広司、オープニング作品『アンダードッグ』に出演する北村匠海、瀧内公美らが登壇。今年の映画祭開催について語った。
コロナ禍での映画祭について、今年のフェスティバルアンバサダーを務める役所は、「今回の映画祭の開催は、今までと違う形ですので、準備の苦労は大変だったかと思います。気の抜けない期間かと思いますが、よろしくお願いします。リアルにスクリーンで見られることは、〝ファンにとって最高のプレゼント〟です。コロナ禍の中での開催は、今後に生かされると思います。知恵を絞って映画祭を続けていければ」とコメント。
また、〝映画のチカラ〟について聞かれると、「映画は子どもの頃から体験して、無意識にいろいろなものを教わりました。劇映画は、いろいろな要素が融合していて、暗闇の中でゾクゾクする感動の記憶が体に焼き付いています。その記憶は、僕の中で〝生きていく力〟になっていると思います。一方ドキュメンタリー映画は、事実の記録から強烈なメッセージがあって、時代を変えるすごい力があると思っています」と真摯に語った。
素直な気持ちで映画を見極める力が大事続いて観客が良かった作品を自ら選ぶ『観客賞』に対しては、「観客が映画を評価するのは一番正しい。世界中の映画人が作った映画を評価するのは、本当に責任重大ですが、国際映画祭は正しく公平かつ自分に素直に選ぶのが重要です。映画祭で観客の皆さんが重要な役割を担うのは、熱気につながると思います。〝映画を見極める力〟が試されています」と胸の内を明かす。
最後に、映画祭全体について、「日本映画は素晴らしい先輩方がいて、世界中を熱狂させてきました。コロナ禍でダメージを受けている映画界ですが、この東京国際映画祭も、先輩方に負けないような、素晴らしい映画祭に成熟していくことを願っています」と、映画祭へのアツいメッセージを残した。
今年はコロナ禍により、例年とは異なる開催になるが、役所率いる映画祭の成功を見届けたい。