なぜ彼女たちは「センター」に立ったのか⁉
アイドルセンター論
NMB48 山本彩(後編)
山本彩は時として”完璧なアイドル”と言われる。歌唱力やダンスパフォーマンスの高さはもちろん、バラエティでの振る舞いに至るまで一切の抜け目もなく、いつ見てもアイドルとして満点の回答を提示し続けていたからだろう。
NMB48プロデューサーの剱持嘉一も初めて山本を見た時を振り返って「あの日、NMB48の未来を見ました」と当初から観るものを惹き付けるような何かがあったと語っている(『すべての理由』幻冬舎)。彼女がセンターとして輝く未来が、すでにプロデューサーの目には映っていたということだろう。
ご存知の通り、山本は在籍した8年の間に、メンバー中最多となる13曲ものシングルでセンターを務め、絶対的なセンターとしてNMB48のパフォーマンス面での主軸を担ってきた。
一方で、シングルデビュー以前の早い段階からキャプテンに任命され、結成したばかりのグループをまとめる役割を任されてきた。
一般的に、パフォーマンスのリーダーであるセンターとグループ全体を統制するキャプテンはそれぞれ別のメンバーが任命されることが多いが、山本は2ndシングル『オーマイガー!』で初めてセンターを務めてから、絶対的センターとして高いパフォーマンスを発揮していった。
山本のパフォーマンス力の高さは48グループでも随一を誇ると言ってもいい。