ハリウッド出身モデル、超人気ブロガー、日本でも有名ブランドのモデルを務め、名だたるファッション誌でも活躍…。そんな華々しい肩書きや経歴を持つ女性はなぜ日本で逮捕されたのか? 思わず「YOUは何して法廷に?」とツッコみたくなる事件をお笑い芸人で裁判ウォッチャーの阿曽山大噴火がリポートする。
有名人の事件だからといって必ずしもニュースにはならないので、東京地裁にいるとひょっこり有名人の裁判を傍聴することもあります。
というわけで先日、東京地裁で行われた窃盗の裁判。被告人は30代のアメリカ人女性。
起訴されたのは、2020年10月に東京都内の携帯ショップでワイヤレスイヤホンと充電アダプター(合計8118円)を盗んだという内容です。
個人的にファッションの知識があまりないもので被告人の名前を検索してみました。それでわかったのは、被告人はもともとモデルとして活躍してて、アメリカにいる時からブロガーとしても日本で有名な人物だったようです。日本に来てからも有名ファッション誌やブランドのモデルとして活動し、自身初となるファッションブランドを立ち上げた時にはネットニュースにも取り上げられたほど。しかし今は初の刑事裁判なのに傍聴席には被告人の母親らしき女性しか座ってないという現実。当時の人気がウソのようです。
そして被告人質問です。
裁判官「被告人、証言台へ」
と言われて立ち上がると、両脇にいる付き添いの刑務官より頭ひとつ分背が高くて流石モデルという高身長。マスクで半分以上顔が隠れているものの、その芸能人オーラは十分。ツインテールの髪の毛を揺らして証言台まで堂々とモデル然として歩くその姿はランウェイそのものです。
弁護人「盗むつもりで防犯タグをはずしてズボンのポケットに入れたんですね?」
被告人「はい」
弁護人「逮捕当初は否認してましたよね。何故ですか?」
被告人「逮捕されたらビザがなくなって強制出国になると思ったからです」
というのも被告人には子供が2人いて、子供たちは別れた旦那と同居しているらしい。もしアメリカに強制送還となればしばらく子供と会えないと思って否認してたそうです。