脳の老化に伴う認知機能低下を回復できる可能性。免疫系細胞の炎症を止める方法を発見(米研究)

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脳の老化に伴う認知機能低下を回復できる可能性。免疫系細胞の炎症を止める方法を発見(米研究)

加齢による認知機能低下を回復できる可能性 /iStock

 歳をとると免疫細胞はだんだんと不具合を起こすようになり、体の中に炎症が起こりやすくなる。これはがんや認知の衰えといった加齢に起因する病気にかかりやすくなる大きな要因だとされている。

 だが将来的には、そうした機能の低下を回復させるアンチエイジング療法が登場するかもしれない。

 米スタンフォード大学の研究グループによって、そうした免疫系細胞が衰えるプロセスが発見され、脳の炎症をブロックすることで認知機能の低下を回復できるらしいことが明らかになったからだ。
・免疫系の老化で認知機能が衰える理由

 老化によって機能不全に陥った免疫系は体が何かに感染したとしても反応が鈍く、ときには健康な細胞まで攻撃してしまうことがある。

 特に後者のケースでは、体の中に慢性的な炎症を引き起こす。免疫系の衰えによって認知機能が低下すると考えられるのは、そうした炎症が脳にも悪影響をおよぼすからだ。

 『Nature』(1月20日付)に掲載された今回の研究で着目されたのは、「プロスタグランジンE2(PGE2)」というホルモンの一種だ。

 PGE2は加齢にともなって増える傾向があり、免疫細胞が炎症を引き起こす活動を強めることでも知られている。
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