特撮ファンの間で不評の声が続出している『仮面ライダーセイバー』(テレビ朝日系)。5月16日放送の第35章『そして私は、神になる。』では低クオリティなCGを使った演出が登場し、ますますファンの心を遠ざけてしまったようだ。
物議を醸しているのは、作中の敵キャラ・マスターロゴス(相馬圭祐)が「全知全能の書」を復活させる存在となる少女・ルナを、空中に浮く魔法陣の中へと連れ去ったシーン。主人公の神山飛羽真(内藤秀一郎)は絶望に打ちひしがれるが、ルナが飛羽真の名前を呼ぶと突然〝黄金に輝く光の階段〟が現れる。
この光の階段は2021年とは思えない出来のCGとなっており、たとえるならば「初代プレイステーション」のグラフィックと同レベル。しかも階段を必死に駆け上がる飛羽真も、驚くほどにわざとらしく腕を振って駆け上がっている。役者の動きとCGがシンクロしていなかったため、誰が見ても合成だとわかるほどだ。
シリアスな空気を打ち破るように登場したCGに、多くの視聴者が衝撃を受けたようだ。ネット上ではすでに「セイバー坂」という名称が定着しており、《今時の学生作品ですらもっとクオリティ高い合成できそう》《走り方が面白すぎたしCG合成も相まって凄い笑った》《CGもやけど演技も笑いを誘うな》《ユーチューバーが編集した映像かと思った》《色々と唐突すぎてほんまわらったわ》《はてしなく遠い男坂かと思った》などとネタ扱いされている。
人気のなさから“笑い”に走った可能性も?笑いによって人々を引き付けた同作だが、その不人気っぷりは本物。作品名で検索を掛けるとサジェストに「つまらない」がヒットする他、特撮ファンたちは《何も考えず作ってる感じが伝わってくる》《ガチで歴代最低でしょ》《まったく愛着が湧かない》と口々に批判している。
またヒーロードラマの成否は、子ども向けに発売される「玩具」の売上によって決定されるもの。しかし「セイバー」は現在放送中にも関わらず関連グッズがたたき売りされており、過去作の玩具よりも安値で取引されているようだ。
シリーズ前作の『仮面ライダーゼロワン』は近年稀にみる駄作と批判されていたが、同作と比較されることで相対的に再評価されている模様。もしかすると我々は、「仮面ライダー」の歴史が大きく変わる瞬間に立ち会っているのかもしれない。
文=大上賢一
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