写真を撮るほど記憶が薄れる「写真撮影減殺効果」を確認(米研究)

| カラパイア
写真を撮るほど記憶が薄れる「写真撮影減殺効果」を確認(米研究)


 写真を撮った分だけ思い出が減ってしまっているかもしれない。米フェアフィールド大学の心理学者、リンダ・ヘンケル氏の研究によると、写真を撮ることで何かを忘れないようにしようとしても、それが逆効果になってしまう場合があるそうだ。

 写真を撮ることが目的となってしまい、実際に体験したことが記憶に残らないというのだ。

・写真を撮影すればするほど記憶が曖昧になる「写真撮影減殺効果」
 ヘンケル氏は「人々は何かというとすぐにカメラを取り出しては、ほとんど何も考えずにシャッターを切っている。 実際に自分が体験していることを記憶することを忘れるほどに。」と述べ、フェイスブックやツイッターといったソーシャルネットワークで瞬時に写真を共有することに慣れている今の社会に警告を鳴らしている。

 ヘンケル氏率いる研究チームは、ベラルミーノ博物館のツアーに学生を参加させ、写真を撮りながら見学する学生と、ただ単に見学だけをする学生に分け、いくつかの展示品を覚えておくよう指示を与えた。

 翌日、指定した展示品に関する記憶を調べると、写真を撮影していた学生の方が、見学だけしていた学生に比べて、対象物に関する認識が正確さを欠いていた。

 ヘンケル氏はこの現象を「写真撮影減殺効果」と名付けた。

「物事を覚えておくために技術の力に頼り、その出来事をカメラで記録することで、結局のところ自分自身で積極的に参加しようとする必要がなくなってしまい、経験したことをしっかり覚えておこうとしてもマイナスの効果を与えかねない」と説明している。
ピックアップ PR 
ランキング
総合
カルチャー