少年誌トップクラスの売上を誇る『週刊少年ジャンプ』は、連載陣の人気争いがひときわ厳しいことで有名。いわゆる〝打ち切りレース〟が過酷を極めるなか、6月21日発売の「ジャンプ」29号では、約1年にわたって連載されてきた『灼熱のニライカナイ』が終了を迎えてしまった。
同作は、アニメ化もされた人気作『べるぜバブ』の作者・田村隆平によるコメディー作品。自然豊かな小笠原諸島を舞台に、ハードボイルドを愛する警察官・鮫島灼熱が、イルカに育てられた少女・チャコたちとにぎやかな日々を過ごしていく物語だ。
ジャンルはたんなるコメディーではなく、「ハードボイルド」「刑事もの」「ミステリー」など、さまざまな要素が混合していたのが特徴。しかしそれが仇となったのか、時にギャグ、時にシリアスとどっちつかずな展開を繰り返すこととなり、一部の読者からは迷走を指摘されていた。
とはいえ、全体的なストーリーとしては上手くまとまっていたという評価も。とくに終盤の内容に関しては、《打ち切り作品として扱うにはあまりにも名作すぎる。シリアスパートから段違いに面白くなったんだけどなぁ》《打ち切りに思えないほど、めちゃくちゃ丁寧に終わってて、漫画家力見せつけられたって感じ》と称賛の声が多くあがっている。
打ち切りは妥当? 終わらせるべき作品は…さらに熱心なファンの間では、《なんでニライカナイが打ち切りになるんだよ? どうなってんだジャンプ編集部》《他に人気ない漫画打ち切りにしてよー!》《ジャンプはもっと、先に打ち切るべき漫画たくさんあるやろ…》といった主張がちらほら。読者人気によって掲載順が決まるとウワサされる「ジャンプ」において、たしかに「灼熱のニライカナイ」の掲載順を度々下回る作品はあった。
たとえばそれに該当するのは、2021年9号から始まった刑事漫画『アイテルシー』と、2021年11号開始の野球漫画『クーロンズ・ボール・パレード』。どちらも連載開始から4カ月ほどだが、掲載順は巻末に近い。だが、「アイテルシー」は最近新章に突入したばかりで、「クーロンズ」もようやく本格的な野球の試合が始まったところ。両作ともまだまだ見せ場がありそうな展開で、一概に「打ち切るべき」と切り捨ててしまうのは惜しい作品だ。
もちろんそれは「灼熱のニライカナイ」にも言えることなのだが、作者の田村は最終回が掲載された「ジャンプ」の巻末で《力及ばずでした》とコメントしている。作者自身、連載終了という結果に正面から向き合っているのだろう。
次号以降は新連載が2作品始まる予定となっているので、直近で完結となるのは「灼熱のニライカナイ」だけではない可能性もある。〝主力不足〟が懸念されるなかで、新たな柱となる作品が生まれることを願うばかりだ。
文=野木
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Daria Kolosova / PIXTA