子どもが自分のやりたいことを自分で選び、主体的に生きる。
これが多くの親の願いなのはまちがいないところですが、実際の子育てがそうなっているのかは、また別の問題。
『「人に迷惑をかけるな」と言ってはいけない』(坪田信貴著、SBクリエイティブ刊)によると、親が「やりたいことを自分で選び、主体的に生きる子」を育てようと思う一方で、親自身の態度や子どもにかける言葉が主体性を奪うものになっていることはよくあるといいます。
親の過干渉が子どもの主体性を妨げる、といわれます。過干渉とは、たとえば子どもが「カルピスちょうだい」と言ってきたところに 「甘い飲み物は禁止。水を飲みなさい」 という対応のこと。さらに、そこで「やだ、カルピスがいい」とだだをこねたら 「ダメと言ったらダメ。言うことを聞きなさい」 というパターンも。
これが過干渉だからダメ、ということになると、「はいはい、カルピスね」とカルピスをあげるのが親として正しい対応なのでしょうか。実はそれも違うようです。
ここで望ましいのは、親が 「喉が渇いたの?」「つまらなかった?」 と子どもの要求に対して質問で返して、子どもが本当に言いたいことを探ることなのだそう。
「カルピスちょうだい」という言葉にはなっていても、子どもは単に喉が渇いたのかもしれませんし、ただ親の関心を引きたいだけかもしれません。だからこそ、質問を投げかけることで本当の要求について意思表示させることが大切なのです。
■「人に迷惑をかけるな」がもたらす弊害ほとんどの親は我が子にこのワードを言っているはず。
「好きなことをやりなさい。でも人に迷惑をかけることはダメだよ」 という具合です。
実はこれは親が最初にやめたい声がけなのだそう。その理由はシンプル。「誰にも迷惑をかけずに生きている人」など、この世に誰もいないからです。