『セーラームーン』の元同人作家が炎上!「原作を見てない」発言が波紋

| まいじつ
『セーラームーン』の元同人作家が炎上!「原作を見てない」発言が波紋

既存のコンテンツからキャラクターや世界観を拝借して、新たな作品を生み出す「二次創作同人誌」。今や一大産業にまで発展したジャンルだが、原作リスペクトをめぐって炎上するケースも少なくない。8月23日には『美少女戦士セーラームーン』の元同人作家が衝撃の告白を行い、物議を醸している。

話題の渦中にいるのは、講談社の漫画サイト『ヤンマガWeb』で『彼女の友達』を連載している漫画家・じゅら。もともとは同人作家として名を馳せていたが、現在は商業作品に専念するため同人活動を引退したという。

じゅらは自身のツイッターにて、《同人引退記念に一つ謝罪します》という文言から始まるツイートを投稿。『美少女戦士セーラームーン』をモチーフにした同人誌を9作ほど発表していたが、アニメも漫画も見ずにWikipediaの情報だけで作品を描いていた…という事実を明かした。じゅらはそのことを負い目に思っていたようで、「反省してます」と謝罪の念を表明している。

しかしこのツイートが拡散されると、ネット上では批判の声が殺到。「原作へのリスペクトが足りない」と憤る人々から、《原作は読まないけど同人描いて金儲けはするよ~って最悪じゃん》《同人書いてる人は本来ダメな所を、原作愛という建前で出版社や原作者からグレーにしてもらってるってことを忘れてはいかん》といった声が相次いでいた。

成人向け同人誌をめぐる欺瞞

二次創作の読者は、とにかく原作リスペクトの有無を気にするもの。じゅらの発言は「利益を得るためだけに同人誌を描いていた」という告白として受け取られ、大きな反発を招いているのだろう。

一般向けの二次創作はたしかに原作リスペクトが必須だと言えるが、じゅらが出していたのは成人向け同人誌。ほとんどの読者は細かいことを気にせず、絵柄や内容を重視して読んでいたはずだ。現にじゅらのファンは今回の騒動をあまり気にしていないようで、《じゅらの描く同人誌には無限にお世話になったので何も思わないっすねぇ…》《寧ろ原作漫画やアニメを一度も見ていなくて、魅力的に書けたことが凄い》《自分は同人誌読むの好きですけど、原作のアニメや漫画はほとんど知りません。じゅらさんの絵や世界観が好きだから読んでます》といった声が大多数を占めている。

ただ1つハッキリとミスだと言えるのは、「彼女の友達」が「美少女戦士セーラームーン」と同じ版元である講談社の連載作品だったこと。いわば大先輩にあたる作品を冒涜するような行為だと言えるからだ。

今回の炎上を受けて、じゅらは該当のツイートを削除し、「連載中止を始めとしたどんな処分も受け入れる」といった趣旨の謝罪文を掲載した。過熱したネットユーザーからは、「彼女の友達」の連載中止を求める声も見受けられる。連載を続けられるかは不明だが、商業作家ならではのルールが身に染みて理解できたのではないだろうか。

文=大上賢一

【画像】

Atstock Productions / PIXTA

ピックアップ PR 
ランキング
総合
エンタメ