彼とは合コンで出会った。某大手企業勤務で顔もスタイルも良く、話も面白くて、気遣いもできるパーフェクト超人みたいな男性だった。
みな彼を狙っていたが、私なぞ箸にも棒にも掛からぬ存在だろうとハナから期待をせず、ひたすらビールを飲んでいると「お酒、好きなんだね」と頭上から彼の声がした。
「ええ、まあ」と顔も上げずにそっけない返事をしたが、内心「っっしゃあああああ!!!!」と大きくガッツポーズを決めてたし、大気圏をブチ抜く勢いで舞い上がっていた。
私の横にすっと座り「お酒好きな子、良いよね」と私の目をじっと見つめながら微笑む彼。早くも脳内ではウエディングベルが鳴り始めた。そしてその夜、電話番号の交換もそこそこに体液の交換をしてしまった。思い立ったが吉日、ならぬ、乳首立ったが吉日である。
身に余る彼氏を手に入れて浮かれていたが、ひとつだけ気になることがあった。なぜか彼は私を自宅に入れたがらないのである。部屋が散らかっているからとか恥ずかしいものがいっぱいあるからなどと理由を並べて、家に入らせない。
軽く不信感はあったものの、あまりに頑ななので「きっと何か人には言えない事情があるのだろう」「男性はミステリアスな方が魅力的」「全部知ってしまったらつまらない」と自分自身を納得させた。しかし、付き合っていくうちに「気になること」はどんどん増えていく一方だった。
■募る不信感。やっぱり隠し事が……?
ふたりの初めてのクリスマス。言うまでもなく、カップルが最高に盛り上がるイベントである。
「いろいろ考えておくから楽しみにしていてね」とサプライズを匂わせる彼に、期待と乳首を膨らませていたのだが、1週間前に突然「ごめん! イブに宿泊研修が入っちゃったからクリスマスデートは23日に変更して」と電話がかかってきた。
若干引っかかりがあったものの「お仕事お疲れさま。大丈夫だよ! イブイブ、楽しもうね♡」と返事をした。ちなみに、特にこれといったサプライズはなかった。