旅に出る理由は、人によってさまざまだ。友人や家族と楽しく観光をしに行く場合もあれば、ひとりでのんびり景色を眺めに行くという人もいるだろう。
神奈川県在住の読者、Mさん(50代男性)は、「人生を終わらせる」ことを目的とした一人旅に出た。
頼りにしていた恋人に突き放され、人生を諦めてしまったMさん。
気づけば彼女との思い出の地である北海道でひとり、レンタカーを走らせていた。
かつて訪れた場所をただ巡っていく。その旅の中である人に出会い、彼は今、生きている。
Mさんの人生を変えた優しい出会いを、一緒に振り返っていこう。
思い出の場所を巡って...以前、頼りにしていた彼女に突き放されたときのことです。
気づけば一人きりで、思い出の北海道に足を踏み入れていました。完全に人生を終わらせるのが目的でした。
レンタカーを借りて思い出の美瑛や富良野を走り、上富良野駅にも立ち寄りました。そこも、彼女との思い出がある場所です。
ふらりと駅舎の中に入り、呆然と行く場所を探していたら、
「去年のだけど、記念にどうですか?」
と声をかけられました。
いつの間にか年配の駅員さんが居て、私に来場記念シートをくれました。
「また必ずここに来なさいよ」「ありがとうございます」
小声でそう返しただけで、あとは無言でいた私に、駅員さんはいろいろ話しかけてくれました。